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第12章 テヘラン脱出---イスタンブールへ

第12章 テヘラン脱出---イスタンブールへ


12月31日(日)

朝5時駐在員宅を出発し空港に向かう。空港に向かう高速道路の両サイドに広がる土漠に朝日が昇りだす。まさに暁の大脱出である。空港では多数の外人避難客でごったがえしていたが、無事にイスタンブール行きの飛行機に全員搭乗で来た。

まさに“飛んでイスタンブール”である(当時 庄野真代の“飛んでイスタンブール”が流行っていた)。遂にイランを脱出してしまった。


♪♪ おいでイスタンブール 人の気持ちはシュール

  だから出合ったことも 蜃気楼(シンキロウ) 真昼の夢

  好きよイスタンブール どうせフェアリー・テール

  夜だけの パラダイス


  飛んでイスタンブール 光る砂漠でロール

  夜だけの パラダイス  ♪♪♪


1月1日(月)

今日はお正月である。逃亡者生活が始まる。イスタンブールに一時退避を行い、イラン情勢の情報収集(主にBBCの放送を聞く)し、平穏化すればテヘランに戻る予定である。イスタンブールは夜間外出禁止令もなく、町は平和そのもので心が癒される(もっとも戒厳令が施行されていたが)。

久しぶりに停電もなく、レストランで美味しいシーフードの食事をし、ナイトクラブにまで繰り出した。テヘランでの耐乏生活で満たされなかったものを一挙に取り戻したようだ。


1月2日(火)

朝ホテルの窓から外をみると深々と雪が降り、街は一面の銀世界である。情報収集以外にはたいしてする事もなく、皆でイスタンブール観光をする事にした。

イスタンブールはボスボラス海峡をはさみアジアとヨーロッパの2つの大陸にまたがる都市で、かつてローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国という3代続いた大帝国の首都として栄えた大都市である。街はイスラム文化とキリスト文化が融合しまたアジアとヨーロッパの融合した世界でも珍しい町である。

まずトプカプ宮殿に向かう。雪一色の宮殿は本当に優雅な姿であった。

1609年~1616年に建築家メフメットによって建てられたブルーモスクと呼ばれる、優雅な6つの尖塔を持つ スルタンアフメット・モスク も見学した。このモスクは、内部の壁が美しい青と白のイズニックタイルで飾られており目を見張る美しさであった。その後はバザールに行った。テヘランのバザールに勝るとも劣らないと言われる大きなバザールである。


1月6日(日)

 その後、テヘランの情勢は改善・平穏化の様子もなく、他の駐在員と共に僕は日本に一時帰国する事になった。1月7日成田空港に到着。妻の愛子が出迎えてくれた。随分長い間会っていないような気がしたが、半年ぶりの再会だった。


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