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何も言えなかった。私を支配したのは、どこまでもどこまでも真っ暗な闇の中に落ちていくようなそんな感覚だけだった。

「ずっと気にしているんだね、って言われて分からなくなって避けてしまってごめん」

何を言ってるかわからない。

「どういうこと?」

「付き合ってた河名美月と別れたときに言われたんだよ、私は一番じゃない、俺はお前を一番大切だと考えてるって。なんでそんなこと言われるかわからなかったけど――――多分好きなんだろうな」

河名美月とは1か月ほどですぐ別れてしまったらしいということは噂で聞いた。

「・・・どういうこと?」

また、同じ質問をした。はあ、となぜかため息をつかれた。そして、

「林琴未が好きです――――――そういうことだよ。」

そう、目をまっすぐ見つめて言われた。



いくらなんでもいきなりすぎただろうか。琴未は固まっていた。ぽかんと口を開けたまま、俺を見ていた。

そして、俺の言葉の意味をようやく理解したようだったが、―――――――彼女は怯えた表情を見せた。



自分はなんて臆病で馬鹿なんだろう。自分がずっと想ってきた相手に好きだと言ってもらえているのに、なんで―――――飛び込めずにいるんだろう。

「琴未?」

関係なんて壊したくなかった。彼の特別な幼馴染、その肩書きがあれば十分ではなかったのか。

でも、祥平に彼女ができたとき自分が馬鹿さを呪って、泣いた。ただの幼馴染という関係ではもう十分ではなかったのだ。

「今、答えを出さなくても・・・」

急に黙り込んでしまった私を見かねてか、おろおろと言う祥平。

必要なのはささやかな勇気。息を深く吸い込む。

彼に長年の想いを伝えよう。




「私はね、ずっと好きだったんだよ―――――」


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