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FLEX  作者: 石油肉
第三章
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第三十七話 クラウド

「──うん、またあいつらか……もしくは似たような集団ってことも有り得る。確証はまだ持てないけど、巻き込まれる可能性はあるかもしれない」

「わかった。覚えとく」

「頼む」


 待っているだけではいつ巻き込まれるのか、いや既に巻き込まれている可能性もあるので、市場からすぐにボス(アミラ)が逗留しているホテルへと向かい、フロントで名前を告げて呼び出して貰った。

 結果、意外なことにアミラは既に起床していた。

 やっこさん、どうやら部屋で朝食を摂っている最中であったので、今はちびりそうになるほど豪華な部屋へと招かれ事情を説明し終えた所である。


「食べてく?」

「いや……もう食ってきた」


 テーブルに並べられた野菜やフルーツに興味はない。

 あるとすればそのヨーグルトのような白い何かだが、肉がないんじゃーお話にならない。

 味のよくわからん琥珀色の紅茶的な何かで俺は十分だ。


「あの人は?」

「ジバルさん?」


 こくりと頷くアミラ。

 それと同時にまたしてもフォークに突き刺した忌々しい小さなトマトを口の中へと放り込む。

 実にけしからん。


「さっき会ったけど、本当に俺達と一緒にダグダに向かうつもりみたいだな」

「ふーん」

「……俺らだけじゃまた余計なのに絡まれるだろうし、俺は一緒でも良いと思うけど、アミラは?」

「いいよ。別に」


 ほう。

 アミラなりにジバル氏のことは気に入ったのだろうか。

 確かに見てくれや一部行動には問題を抱えているるが、会話する分には害もないし年齢差があるのに自然と接することが出来る不思議な人だ。


 ペンタゴンシティーに居た時も、ロン毛でおじさんの双子や──名前が思い出せない──服飾品店の店長やら肉料理屋の大将など、おじさん連中と言葉を交わすことが多かった。

 改めて思い返してみるに、話相手の大半がアミラを除けばおじさんだったとも言える。

 俺っておじさんが好きなの?


「んな訳があるか……違う違う」

「何が?」

「あ、ああ……俺は女が好きだってことだ」

「何それ。キモイ」

「キ、キモイって……普通だろ」


 うん。

 急に女が好きだとかブツブツ言ってる奴は、俺も気持ち悪いと思う。

 でもね、そう思ってもそれを口に出して言わないでくれ。


 俺のゴリラハートはそんなに強くはないのよ?

 キモイって言葉は受け取る側にとっては、ある種の暴力なのよ?

 それにヘラヘラしつつであればまだしも、真顔は結構効いてくるのよ?


 それにだ、お前が俺より弱ければ鉄拳制裁も辞さない所なのよ?

 そこんとこ、わかってます?


「これ」

「あ? 何なの……何?」

「……見て」

「ん? ってお前……よく見えないな」


 アミラがいつの間にか取り出し、手に持っていた紙切れを凝視する。

 そこには最も見たくはない名前が鎮座している。

 思わず目を瞑り、一呼吸おいてから再び薄目にて確認してしまう。


「何してんの。ちゃんと見て」

「へい」


 もう一度見なおしても変わらない。

 そこには見たくない名前に加えて見覚えのない番号が記載されており、この紙切れが意味するところを理解する。

 けれど、理解したことをどうしても頭が拒絶したがる。


「カルミア? 誰デスカ、ソレ?」

「カキの母親?」

「……そんなババァは知らんなぁ」

「一応、連絡しとく? 今のもついでに伝えとくけど?」


 こいつめ、いつの間にカルミアの名刺を入手していたんだろう。

 そもそも、ヤツが名刺を作っていたことにもそれを所持して、尚且つアミラに渡していたことにも驚かされる上にその意味するところが不明だ。

 名刺は名前と連続した番号だけが記載された簡素なものではあるが、この番号に連絡すれば本当にカルミアに繋がるのだろうか。


 可能性は高いと見るべきだ。

 ここでの返答を間違ってはいけない。

 その目的は定かではないが、こいつは鬼の威を借る子鬼となりつつあるのは確かだ。


「ごめんなさい。許してください。調子に乗っていました」


 謝罪する場合はその速度が大切だ。

 変に虚勢を張れば、それは取り返しの付かない結果となって返ってくる。

 誤ちを認めたフリをして犬になればそれで良い。


「……」

「あ、あの──」

「──どうせ繋がらない。今は未開地に入ってるはずだから」

「……ほう。驚かせやがって……って、連絡を取り合ってたりする、んだよな? やっぱ」

「うん」

「げっ」


 この紙をどうにかして奪い取るべきだろうか。

 いや、アミラも馬鹿ではあるまい。

 番号が記載された名刺を紙に控えたりして保存しているだろうし、この程度の数の番号なら暗記している可能性もある。


 興味を示したことには並々ならない執着心を見せるこいつのことだ、可能性は高い。


「その癖は治したほうがいいかも」

「はい? 癖?」

「うん。困ると、ここ……顎を摘んで引っ張るのはバカっぽい」

「ハッ」


 アミラが顎を手で摘んで引っ張る仕草をして見せてくる。

 皮が不足しているのか、表情が硬直しがちが故なのか伸びはほとんど変形していない。

 だが、それを俺がやっているとの指摘には驚かされる。


 何だ、その妙ちくりな仕草は。

 完全に無自覚。

 そんな癖があったのか、俺には。


「えっと……いつから?」

「出会った頃から」

「マジ、か」

「ほら、また」

「……ハッ」


 何これ。

 言ってる傍から顎を摘んでいる自分が怖い。

 どうしよう、顎だけならまだしもポ◯チンをいじくり回したりしてないからしら?


 心配。


「もっと前に言ってくれよ……」

「伸びてくかと思って」

「オイ……って、伸びちゃってるの?」

「……」


 おい、そこで視線を逸らしてプスプスと息を漏らすな。

 マジで顎の皮がたるんたるんに伸びてきているのか?

 いやいや、鏡くらいは俺でも見るからそんなことには……なってない、よね?


 でも、割れてはいる。

 確かに体の成長に合わせて、顎は完全に割れちまっているのは事実だ。

 落ち着け、これは遺伝であって……いや、ラインのごつい顎を思い返してみるに……ハハ、俺は自らの手で、顎を割っちまったのか。


「そんな……マジかよ……もう、割れちまってるよ、これ」

「プフッ」


 プフッ、じゃねーし。

 笑うなら声に出せ。






 アミラが支度し終えるのを待って、ホテルを出る。

 その足で公園へと向かえば、九時になるまでには三◯分もあるのに、律儀に公園入口にて佇むジバル氏と合流する。

 公園から市場、市場からホテル、ホテルから再び公園へと移動していた間にも確認したが、やはり今日も町中には車やバイクの姿は見えなかった。


 昨日のうちに購入しておいた周辺地図を広げて何度も確認しつつ、隣町ダグダへと向けて一帯が荒野となった地に舗装されただけの道路の脇を、三人でスタスタと小走り程度の早さで進む。

 他の冒険者志願の者達の姿はないようで、昨日のうちに彼らはダグダへと向かったのだろう。

 懸念していたアミラの体調は良好のようで、口数も常のように少なく平常通りに見受けられ、一安心といったところだ。


 太陽が真上に来た辺りまで何ら問題はなく、ジバル氏もアミラと同様、その足取りは軽かった。

 が、ここで久しぶりに仏さんを目にすることとなった。

 道路脇に倒れ伏したまま動かなくなった三つの死体は、主に頭部の破損が目立つ。


 黒のタンクトップが赤黒く染まり、死体特有のニオイが周囲を包んでいる。


「事故にゃ見えねーな」

「ですね」

「……来る」


 極小の点。アミラが指し示した方向に、それがある。

 その点は次第にその数を増やし、大きさも増していく。

 次いで独特の羽の音が聞こえる頃には、意識せずともその存在を把握出来るほどにまでなっている。


 虫の群れだ。


 十中八九、この死体を作り出した存在だろう。

 目測でおおよそゴルフボール大の虫の数は百をゆうに超える。

 どのような特性があるのかは不明であるが、撃退すべく動き出す。


 お腹──ぶら下げているとよくぶつけるのでお腹が定着しつつある──に収めたナイフを抜き放ち、魔力を練り上げる。

 横目にジバル氏を確認すれば、彼も大きな背負いを地に投げ捨て構えを取っている。

 良し、大丈夫そうだ。


 アミラへの確認はしない。

 やっこさん、こと戦闘に関して俺が心配するまでもない。






「また来るっぽいな」

「うん」


 戦闘はあっさりとしたものだった。

 俺はナイフで虫を叩きつけ、ジバル氏が虫を直に握りつぶす。

 そして、大半の虫をアミラが氷漬けにすることで無力化して終いだ。


「ま、問題ねーだろ。それにしても嬢ちゃんのありゃトンでもねーな! 見とれちまったぜ!」

「大丈夫か? 結構な数やったろ?」

「平気」


 氷漬けにした数は多いが、氷そのもののサイズは小さく負担はそうでもないのだろうか。

 まあ、水をがぶ飲みする様子も見せないので、問題ではないのか。

 問題があるとすれば俺の方で、戦闘の影響によりズボンが少し汚れたくらいだ。


「それじゃ行きますか」

「おう!」


 その後は再び死体を発見したり、虫の群れに襲われ撃退するのを何度か繰り返すだけで、特筆すべきことは起こらなかった。

 その過程で俺も含め、アミラにジバル氏は体力に魔力の消耗もほとんどなく、口数の多いジバル氏に対してたまにアミラが言葉を返すといった具合で移動し続け、太陽が地平に沈む頃になってようやくダグダへと到着した。

 言葉にすれば短く、順調に思えるが道中ではそれなりに“妨害”は受けた結果となった。


 車やバイクが走っていなかった理由は、冒険者の本分となる未開地の探索に相応しいものだけが受験資格を有するものとし、要するにふるいに掛けられていたということなのだろう。

 そして、自然からの妨害といっても、正確にはおそらくは人の手による妨害だ。

 妨害は荒野の中に解き放たれたであろう虫達がメインだったのだろう。


 仮にあの虫がこの地に生息しているのであれば事前に知ることは容易い。

 だが、下調べした結果ではあんな虫達が生息していることなど出て来なかった。

 ほぼ間違いなく、あれは人の手による妨害だ。


 それを証拠に道路沿いには幾つかの新鮮な死体や、動けなくなって助けを求める者も居たのだが、その大半は共通して頭部の破損が見受けられることからして、あの虫にやられたに違いない。

 詳しく見て回った訳でもないので断定は出来ないが、おそらく虫のほとんどが肉食であるようで新鮮な脳を目掛けて飛びつくのだろう。

 いやはや、手の込んだふるいなことで。


 冒険者はそれだけ実入りのある商売なのかもしれないが、志願する者を平気でふるい落とすという名目で殺しに来るとは、聞いてはいたが実際に体験すると狂ってやがる。

 親が親なだけに、死を前にしても多くは感じなくなってしまってはいるが、どうにもうずく。

 俺は本当にいつまで危うい場所に立っていれば良いのだろうか。


 このままではいつ倒れてもおかしくはない。

 あの塔のように。


「こ、これ大丈夫なのか?! 風に吹かれて倒れたりしねぇのか?」

「さあ、どうなんでしょう。確かに倒れそうに見えますよね」


 地図である程度はわかる上に、下調べもしていたので予想はしていたが、直にダグダを訪れるとその巨大さに圧倒される。

 ここはた◯のこの里かと思わずにいられないほどに、高層ビルが立ち並び港町とは完全に異なる。

 そして、その中でも一際異彩を放つ“塔”が嫌でも目に入る。


 ジバル氏もその塔の異様な姿に声を詰まらせるほどだ。

 アミラは相変わらず沈黙したままではあるが、その瞳には驚きの色を浮かべている。

 だがその視線の先は塔に向けられている訳ではないようで、空に向けられている。


 どこ見てんのよ。


「アレ、変」

「変? あの塔は一応ちゃんとした目的があっ──」

「──塔じゃなくて、雲」


 塔じゃない?

 それに、変?

 自分の頭じゃなくて、雲が?


 まさか、空とか雲の写真でも撮りたくなった?

 大丈夫?

 そんなことやり出したら、俺も対抗してサボテンの写真を撮っちゃうよ?


「雲?」

「なるほど……確かに嬢ちゃんの言うとおりだ」

「え」


 ジバル氏がアミラの言葉に同調する。

 わかっていないのは、顎が割れている約一名なようだ。


「雲が変ってことか? いやいや、普通に味の薄そうな雲が浮いてるだけで、何かおかしなところは無いだろ?」

「ハァ……ジバル」

「ああ」


 溜息の後にアミラがジバル氏の名を告げる。

 同時に、アミラがこちらに視線を投げてくる。

 ジバル氏は意を得たりといった表情となって頷き返している。


 何だこいつら。


「カキ。この街の真上にあるあの雲はおそらくニセモンだ」

「……二人共、大丈夫か? さっき二人が食ってたあの紫に毒でも──」

「──よく見て。あの雲の中」


 アミラがすっと指を空に向ける。

 その指先を辿り、空に浮かぶ雲に目を向ける。


「雲の中? そんなもん……何もってナニアレ……グロ」


 その雲をよーく見てみると、その内部を触手のようなものが蠢いているのが見えてしまった。

 どうやって空に浮かんでいられるのか。

 そもそも何故、空の上にあの雲の皮を被った触手のようなものがあるのか。


 次々に疑問が湧き起こる。

 それにしてもグロい。


「何の為に……あんなもんを」

「さあな」

「調べとく」

「あ、ああ……頼む」


 いち早くそのおかしな雲を発見したアミラにしろ、ジバル氏にしろ、あの触手が内蔵された雲の目的は知らないようだ。

 そして興味が引かれたのか、アミラが珍しく積極的な言葉を口にしているが、どうやって調べるつもりなのか。

 そもそも、明後日からは冒険者となる為の試験が始まるというのにだ。


 気掛かりではあるが、そんなことをしている暇は……まあ、あるか。

 受付を無事済ませられれば、あとは待つだけとなる。

 それまでにやることが出来たのは良しとしよう。


 船上で暇を持て余してスタンガンをバチバチとされたり、延々とブロック遊び──アミラがどこかから入手してきたレ◯っぽいやつ──に付き合わされるよりかはマシだ。

 あの雲は気掛かりだが、切り替えよう。

 街中を歩く人々は、あの雲を見上げたりびくついたりしている訳でもない。


 その様子からして、今すぐに害がある存在でもないだろうさ。

 んん?


「アレ? こっちは普通に車走ってんのか」

「だな。街に入るまでは一台も見なかったが、もうあの虫も襲ってこねーのかもな」


 意外なことにジバル氏は顔を歪め、苦い顔を作っている。


「ジバルさん、ひょっとして虫が苦手だったんですか?」

「苦手ってほどでもねーが……昔いろいろとあってな」

「へぇ」


 そのわりには虫を握りつぶしていたのだが、トラウマでも抱えているのだろうか。

 あまり興味が湧かない。


「とりあえずもう遅いですし、飯にします?」

「おう! さすがにあの紫? か、あればっかりじゃ飽きるからな」

「寝床はまた公園でもあれば良いんですが、でも虫がまた襲ってくるかもしれませんよね……って一般人も多く居るのに、それは無い、か? 車が行き交っていることからしても、やっぱり……」

「よくわかんねーが、宿は取ったほうがいいのか?」


 金がなぁ。

 問題はそこだ。


「うん。臭うし」

「そうか? そうでも無いだろ? あと二、三日は余裕だと思うんだがな?」

「不潔にしてるともっとハゲる」

「宿とるわ」


 俺が悩んでいる間にアミラとジバル氏によって宿を取ることが決定された。

 節約したいが虫のこと、それに市場での一件も考えて屋根のある部屋で床につく方が良いだろう。

 冷静になって考えれば、一般人も居るこの街の中をあの虫が飛び回るとも思えない。


 それに、やわらかく尚且つ揺れない床で眠るのは魅力的に思える。

 明日から、少しだけ肉を我慢するしかあるまい。

 代わりに安価で腹持ちも良いらしい、紫を朝と昼に……よそう。


 あれを食うくらいなら食事の量を減らそう。






 宿泊先としたのは息が詰まるほどに狭いホテルの一室だ。

 アミラは当然のように背のお高いイケメンのホテルに逗留したようで、ジバル氏と俺はねずみのねぐらで朝を迎えた。

 ジバル氏と二人して朝からバスを改装して作られたバーガーショップへと入り、二人してバーガーをはぐはぐする。


 もしかすると傍目には親子に見えるかもしれないな、何て考えつつもお互いに無言のうちに手早くバーガーを片付ける。

 食後に薄いコーヒーを啜りながら、世間話を交えていてると気付いた。

 ジバル氏も手持ちが心許ないのかもしれないが、彼は既に三つ──体の大きさ、頭皮、ポ◯チン──の意味でも成人しているのでその理由がわからない。


 あれだけ動けるのであれば普通に働けば就職口なんて幾らでもあるだろうに。

 けれど、その疑問を直接本人に聞けるほど俺はアミラってない。


「昨日見た嬢ちゃんのアレだがな……頭から離れねーんだ」

「あー……いつこっちに向けられるかって考えちゃいますよね」

「いや、そういうんじゃねーよ。嬢ちゃん、あの数を一度も撃ち漏らしてなかったぜ? 目標を見誤るなんてことはねーと思うぞ? 一緒にいるオメェがそこんとこはよくわかってんだろ?」


 はて、勘違いをしていらっしゃるようだ。


「狙いを外すということだと、まあ……無いでしょうね。でも、アミラですよ? だからこそ、アレをこっちに向けてくることはあります。実際に過去に何度も……やられてますから。痛いってもんじゃないですよ、アレは。普通に死が頭を過りますから。痛さを感じられるのって幸せなことだと思うほどに……あいつ明日死なないかなって昔はいつも思ってました」

「オ、オイ……大丈夫か?」 

「今はもう慣れましたから」


 バスの車窓から外を眺める。

 小さな女の子が母親らしき女性に手を引かれ、通りを歩いて行く。

 微笑ましい。


 羨ましい。


「オメェもいろいろと抱えてんだな」

「ええ……でも、ジバルさんは変わってますよね? 普通、アミラのアレを見たら怖くなったりしませんか? 俺、今でも恐ろしくなることがしょっちゅうですよ。あの時も、久しぶりに見たってのもありますけど、わりとちびりそうになってましたよ。あの虫に対してより、アミラに対して」


 実を言うと、ウソだ。

 ちびりそうになったというのはな。

 実際、ちびっていたさ。


 久しぶりにちびったぜ。

 俺も焼きが回っちまったかもしれねぇ。

 ハハッ……ハハハ。


「んー……どっちかつーっと、ワクワクしたって方がデケーな。戦ってみてーって方じゃなくて、こいつが戦ってるところをもっと見てーって方だがな」

「変わってますねぇ」


 この人、きっと早死するな。




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