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相席の恋人  作者: たまの座布団y
出会いたいのは、運命の人
2/3

頭の記憶を頼りに店を探して、私はようやく辿り着く事ができた。

私が探していた店は、オシャレで、人気のあるカフェ…ではなく、昔からその場所にあって、とっても落ち着いていて、静かなのが魅力的なカフェ


この間、偶然見つけたのが、丁度この場所だった


私は店の前に立つと、深呼吸してドアの取っ手を掴んだ。

立派なドアを開けると、店内は、ほとんど空席状態。

店員さんも「お好きな席にどうぞ」と言ってくれる

私はドキドキしながら、自分の一番近くの空席を選ぶと、二人掛けの席の奥の方の椅子に座り、一息ついた。


さほど大きな荷物を持っていたワケではない私は、自分の体と壁との間にカバンを置き、中からお気に入りの小説を取り出した。


私が一回やってみたかった、「静かなカフェで読書する」という夢が叶う日が来たんだ。

私は一旦小説をテーブルの端に置くと、メニューを開いた。


この店で、昔から使われているのか、今の時代のオシャレなカフェでは、もう使われてないような、ずしっと重いメニューは、とっても触りごこちが良い。


私はこの、重みのあるメニュー本が好きで、いくら探しても見つからなかったものが、今、手元にある事を実感していた。


私は、そのメニューをめくりながら、色あせたページを見つめる

メニューを見ている時は、このメニューを開いた人たちの想いが残っている気がして、私はこの瞬間が、一番好き。


「お腹すいたな」


「何を頼もう」


「この店のこれは、どの店のより美味しい」


きっと、そう考えながら、メニューを見つめていたんだろうな…

なんか、そういう気持ちって、人が幸せな気分の時だと思うから、その瞬間、メニューに残る想いは、きっと色あせないんだろうな。



私も、見た目的には随分と色あせたメニューを見ながら、一番へこんでる箇所を見つけた


“カフェ・オレ”


私は、店員さんを呼ぶと、一番へこんでる部分を押した

「カフェオレ下さい」

私の指は“カフェ・オレ”と書いてある文字の横、斜め下のへこみに触れている。

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