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第13話 「いざ、撫子変化」

 夏休みも8月の中旬にさしかかろうという頃、俺は正也から届いた呼び出しメールに応じる事にした。俺の家から電車で三駅離れた繁華街の牛丼屋で待ち合わせだ。


 ……えっ? 牛丼屋?




「はい、牛丼の並、味噌汁付きです」


 注文して僅か30秒で出てきた。俺がそれに手を付けると、今店に入ってきた男性と目が合った。男性はぎょっとして俺の顔を見ている。周りの客も店員も俺にチラチラと目線を向けてくる。


 別に芸能人が牛丼食べても良いじゃないか。俺は昔からこれが大好きだ。しかし、真剣な話をする場にここを選んだ正也の神経を疑う。


「で、なんだよ?」


「ちょっと待って、この生姜と七味の分量が実に重要で。多すぎても少なすぎても……」


「お前、ここは食べたらすぐ出て行かないといけないんだぞ。知ってんのか?」


「分かってるよ。俺、週に一度は絶対このチェーン店にお世話になる常連だし」


「お坊ちゃんのくせに庶民かよ。話があるなら早く言えよ」



 暑い夏。男の時のようにTシャツ一枚で出歩きたい所だが、さらしで押さえていても多少は膨らむ俺の胸のせいで無駄に重ね着をしなければいけない。いちいちボタンシャツのような物を羽織らないと行けないのが面倒だ。



「いやぁ、あれだな。街を歩いている薄着の女の子より、俺はやっぱり和海のその鎖骨がたまら……いでっ! いでででで……」


 俺の首元に手を伸ばしてきた正也の腕を捻る。いい加減こいつには止めを刺しておきたい気持ちだ。


「もう牛丼半分食べた。早く言えよ」


「お……おう。実は……」


 正也は足元に置いていた鞄を膝の上に乗せた。俺もこの一泊旅行にでも行くような大きさの鞄は最初から気になっていた。


「これなんだけど……」


 それは紺地に花柄が入った布だった。


「…………なんだそれ?」


「これは……浴衣だ」


「断る」


 俺は牛丼の残りを食べ始める。正也は箸を持った俺にすがってきた。


「頼むよぉ。これ着て俺と一緒に夏祭り行ってくれよぉ」


「お前ふざけてんのか。俺は男だ。女の浴衣なんて着れるか馬鹿たれ」


「違うんだよぉ。もう弟達に言っちゃったんだよぉ。兄ちゃんは彼女と夏祭りに行くんだって!」


「今日振られたって訂正しとけ」


「ま…ま…待ってくれよぉ。御無体な……。和海は兄弟いないから分からないだろうけど、兄の威厳ってもんを維持しないといけないんだよぉぉ」


「なら同じクラスの女子に頼め。……誰も受けてくれないだろうから、金払って雇え」


「ダメなんだって! 兄ちゃんの彼女は美人だって言っちゃってるからさぁ……。クラスでは久美か千夏ちゃん、んで和海しか候補はいないんだよぉ」


「おまえ……鏡と相談して相手を選べよ。ちなみに千夏は絶対貸さん!」


「久美は雑誌撮影があるから二時間しか来られないって言うし、おまけに奴ったら足元みて10万も要求してくるんだよぉ。あいつは鬼だよ! 地獄の門番級の鬼だよっ!」


「俺も女の振りする仕事ならそのくらいは要求したいところだな」


「和海は振りじゃなくていいじゃん! それに、友達だろぉ!」


「話は終わりか? じゃあ帰るわ」


 俺は空になった器をテーブルに置くと、おぼんの上にあった伝票を手に取る。


「……弟達に、お母さんの代わりが欲しいんだよ」


 その正也のつぶやきに、俺は立ち上がろうとしていたのをやめた。


「母さん? もしかしてお前……いないのか?」


 正也は頷いた。しかし、いつだか忘れたが高校一年生の時に何かの話しでそれの流れになったとき、確か母親の存在があった気がしたが……?


「去年、母さんが弟たちを夏祭りに連れて行ったとき、それはあいつら嬉しそうにしてさぁ……。今年は……いないから……」


「いつの間に……。おまえ、そんな事をおくびにも出さずに……」

 知らなかった。いつも明るい正也だが、そんな不幸があったとは……。


「頼む! 和海! 俺のためじゃないんだ! 弟や妹のために…」


 言い終わる前に、俺は正也の肩を抱いた。


「任せろ。俺達は友達だろ?」


「あ……ありがとう! それで、和海は芸能人で顔がばれてるからそのまま女の振りは出来ないだろうから、この鞄の中に変装用のかつらとかを用意しておいたんだ」


 正也は鞄の中に浴衣を一式、下駄や小物、かつらまで入れて持って着ていた。もちろん、その浴衣は母親が使っていた物らしい。俺は涙を隠しながらそれを受け取った。





 一週間後の週末――



 俺は自分の部屋で千夏に浴衣を着せてもらっていた。かなりの重装備だ。胸元がぴっちりと締まり、着物よりはましだがまだまだ余計な生地がある。昔の人はこれでも薄着だったっつーんだから、恐れ入るぜ。


「和海君、これ結構良い浴衣だよ」


「母親の形見っつーんだから、そりゃ中々のもんなんじゃないのか?」


 帯を締めることによって風が通らず、下半身と上半身が熱を持つ。おまけに単純に腰周りが暑い。


 これはサウナスーツなのか? と思いながら、俺は正也が用意したかつらをかぶる。


「わぁ! 可愛い! 和海君、ロングも似合う~!」


 千夏は手を叩いて喜んでいる。まったく、俺はお前の人形じゃないってのに。 


 俺の髪型は耳が隠れるくらいの男としてはややロン毛だが、今は肩より20センチは長い黒髪になった。


「頭が暑い……」


「和海君、暑いなら髪をアップにするといいよ! ポニーテールじゃないけど、後ろ髪を束ねて上に持ち上げて……」


「あ! 駄目だって! 顔バレするから」


 俺は頭を振ってそれを振りほどいた。


「そっかぁ。可愛いと思うのに、もったいないなぁ」


 千夏は頬を膨らまして残念そうにしている。


「神野和海が女装して町を歩いていたってニュースは非常にまずい! 社長の泣く顔が浮かぶぜ」


「それじゃ、こうしようよ」


 千夏は俺の髪を一まとめにすると、横でくくって胸の上にたらした。 


「うーん。ばれないかなぁ」


 俺は鏡で自分の姿を見てみる。け…結構セクシーな奴だな、俺って……。


「浴衣の時はまとめてすっきりにしなくちゃ! 貞子見たいなのは流行らないよっ!」


「まぁ……今回は可愛いとかあんまり関係無いんだけどな。正也の彼女の振りと、その弟達の世話をするくらいか」


「もったいないよ! 女の子の時の和海君は可愛くなくっちゃ!」


「それ、彼氏に言うセリフか……?」



 かくして、俺は昼過ぎに家を出て正也の家に向かう。正也の家はかなり遠くて、俺の家から二時間はかかりそうだった。正也の家に遊びに行ったことは無かったが、呼んでくれない訳が分かった。




 一応バスなどには乗らなくて良い場所に家はあるとの事だが、指定された駅は聞いた事も無い路線の聞いたことの無い駅だった。


「ん~っと、ここで間違いは無いと思うんだけどなぁ……」


 山が見えた……。周りをぐるっと山に囲まれている。東京から二時間でこんな場所に来れる物だったのかと驚く。改札の正面にある商店街も古く、お店としての活気は無いが、今日が祭りには違いないようで中年やお年寄りが慌しく動いている。


「かっ……和海……。なんてお美しい……」


 振り返ると正也が立っていた。俺が到着する少し前にメールを打っておいたので、中々ジャストタイミングだ。


「何だお前。普段着? 俺にこんなもの着せておきながら……」


「いや、もう少し時間あるから、一旦俺の家で休憩してくれよ。その間に俺は浴衣に着替えるからさ」


 Tシャツにハーフパンツ姿、サンダル履きの正也は俺の前を歩く。俺との距離が少しずつ離れて行く。


「ちょっと待てよ。足開かないから歩幅が狭いし、下駄なんだから加減しろ」


「えっ? あっ! ごめんごめん! 彼氏としたことが……」


 頭を掻くマヌケと5分程歩く。すると、隣にずっと茶色い板壁が続いている事に俺は気が付いた。


「……お寺か?」


 すると、そのお寺の門の前で正也は足を止めて振り返った。


「初めてだよな、和海を俺んちに呼ぶのは。どうぞどうぞ、いらっしゃい~」


 俺は門の前で立ちすくむ。


 ……城だ。東京から二時間の距離に、俺の知らない城があったんだ!



 門をくぐってから50メートルくらい歩くと、ようやく本丸……じゃなくて、正也の屋敷の玄関があった。中に入り、俺は少し寂しさを覚えるくらい広い応接間に通された。


「和海ぃー。麦茶飲む?」


 浴衣に着替えた正也は、おぼんの上にグラスを二つ乗せて持ってきた。夏でもホットの紅茶を出してきそうな格式ある家だと思ったが、麦茶を好むとは意外に庶民派だ。


「いやぁ、私服っつーか、浴衣の和海を家に呼ぶのは緊張するなぁ……」


 正也はカタカタと鳴らしながらグラスを俺の前に置いた。


「男友達を呼んで緊張すんじゃねーよ。……ところで、このコップのデザイン結構凝ってるよなぁ」


 俺は麦茶の入っているグラスを眺める。下の方は妙に角をつけてクリスタルのように輝いている。


「いやぁ、安物のブランドだって」


 正也は手を振ってそう言うが、俺はガラスのコップにメーカーが存在するなんて思わなかった。


「ふーん。どこの? なんとか硝子とか?」


「バカラだよ。ありきたりだけど、俺の趣味じゃないしさぁ」


「ば…か…ら…? ……ね。なるほど。……で、値段はいくらくらいすんの?」


 俺は嫌な予感がして聞いてみた。


「ん~。いくらだったかなぁ。俺のと和海のがペアで6万位かなぁ……?」


 今度はグラスをテーブルに置く俺の手がカタカタと揺れだした。


「で、いつ祭り行くんだよ。俺なんかお前の家、居心地悪い」


「えぇぇぇ。相変わらず和海ははっきり言うなぁ。それじゃ、ちょっと早いけどそろそろ行くかな?」


 俺はすぐ立ち上がった。あんまりこの家に長いして物でも壊したら大変だ。


 そんな俺の前で、正也は扉に向かって手招きをした。俺がそちらに目を向けると、開かれたままだった扉から誰かが覗いていた。


「洋太、眞子、こっちきなさい」


 正也が呼ぶと、小さな子が二人部屋に入ってきた。多分、小学校に入学するかしないかくらいの歳だ。


「こっちが洋太」


「6歳です」


 鼻垂れそうでたれていない子がそう答えた。正也に似ている男の子だが、年齢が年齢だけに可愛い。


「こっちが眞子」


 女の子は手にぷるぷると力を入れて4本の指を立たせた。四歳なのか。こっちも正也と同じ一重瞼な女の子だが、可愛い。


 そこでいったん咳払いをした正也。そして口を開く。


「こっ……これがお兄ちゃんの……彼女だ……」


 正也は顔を赤くして、引きつった不気味な笑顔で言い切った。


 子供達は少し遠慮がちに俺のそばに寄り、抱きついて来る。俺はかがんで頭を撫でてやると二人とも恥ずかしがって目をそらした。


「しかし、結構歳が離れている兄弟なんだな?」


「うん、親は体質が変わって急にぽこぽこ出来たって言ってた」


「名前も……今の子供にしては中々珍しい。古風だ」


「まあ俺んちはこれでも結構昔から続いている家みたいでさ、俺の名前もそうだろ? 字画とか、先祖が使っていた漢字を一文字入れるとか、変なしきたりがあるらしいんだよ」


「なるほどねぇ……」


 成金ならもっと都会に家を買うはずだ。正也ん家は恐らく、由緒正しい家柄なんだろう。


「よしっ! お兄ちゃん…じゃなくて、お姉ちゃんと手をつないでお祭りに行こう!」


 俺は子供達二人の手を取ると、玄関に向かった。





 お祭りがある神社と言うのは、駅前にあった商店街を抜けてしばらく行った場所にあった。境内にまで続く石畳の両側に屋台が沢山並んでいる。正直、こんなベタな祭りに来るのは初めてだ。


 正也が少し早いと言っただけあり、まだ明るすぎるからか人はそれ程多くなかった。しかし、お店は全て営業を始めているようで、遊びたい放題、食べ放題であると言える。


 

 洋太と眞子は、まずビニールで出来た水槽が置いてあるお店の前で足を止めた。


「ふふん……定番の金魚すくいか。俺は子供の頃、50匹すくって屋台の親父を泣かせ、さらにビニール袋に50匹金魚をぎっちぎちに詰めて持って帰り、母さんを引かせた経験があるんだぜ」


 しかし、俺は水槽の前にしゃがみこむと男の時との違いに気が付く。


 ……足がひらけねぇ


 浴衣のために膝を閉じ、両足を揃えて金魚をすくわないといけない。なんて安定性の悪さだ。これじゃぁ……本気がだせねぇ!




「お姉ちゃん、……もう勘弁してくれない? まだ祭りが始まったばかりなのに、金魚が弱っちゃうよ……」


「へっ?」


 いつの間にか水槽に浮かべたお椀は、金魚でぎっちぎちになっていた。洋太と眞子はまだ俺を応援しているが、この辺りで切り上げてやろうか。



 ……ところが、俺に渡されたのは数匹の金魚。


「なんだよあの金魚屋。どんなにすくっても五匹しかくれないのかよっ! 最近の金魚屋はまったくっ! なぁ、正也」


「ま…まあまあ和海。俺んちも金魚を大量に持って帰られると困るし……」


 すると、今度は水風船すくいの前で洋太は立ち止まって俺の袖を引く。


「ふっふっふ。洋太、よく俺が水風船すくいのプロだって見抜いたな。俺は一回の挑戦で20個をすくい、友達に投げつけまくって翌日学校の先生から怒られたと言う逸話があってだな……」





 一時間後――



「おじさん、たこ焼き一つ」


 俺はたこ焼きをもらい、かがんで洋太と眞子に食べさせる。もちろん冷ますためのフーフーは忘れない。二人は両手に金魚、水風船、スーパーボール、水ヨーヨーと全ての『すくい系』の商品を手にしながら美味しそうに食べている。


「俺も腹へったよぉぉ……」


 そう言った正也は、でかいぬいぐるみを二体、プラモデルの箱、中国製ゲーム機を抱え、ダッコちゃんが付いた腕でキリンのおもちゃを転がしている。


「いやぁ、お兄ちゃんも頑張ってるよなぁ。ほら、ごほうびだ」


 俺はフーフーしてあげたたこ焼きを特別に正也にあたえた。奴の満面の笑みはちょっと気持ち悪かったが、今日の俺は正也の彼女なので許してやろう。


「和海、俺このくそ暑い中、ぬいぐるみを抱いているから……汗かいちゃって……喉が……」


 正也は俺が手に持っているペットボトルを凝視している。


「仕方ないなぁ。ほらよ」


 俺が渡すと、奴は俺が先に口を付けたペットボトルを激しい勢いで吸うように飲み出した。8割がた飲み切ると、それを俺に手渡そうとしてくる。


「かっ…和海も…飲めよ!」


「うん、いらない。新しいの買うから」


「えぇぇぇ! 飲み合わなけりゃ、意味無いじゃんっ! 彼氏と彼女なら……」


「んな事、洋太と眞子は分からないしな?」


 俺が二人に言うと、意味が分かってない顔をしながらどちらも頷いた。


「しまったぁ! 洋太に間接キスのすばらしさを教えておくんだったぁぁぁ!」

 絶叫する正也を置いて俺達は次の店へ行く。


「ん? これか? 俺は中学校の時にゴルゴ13と恐れられた経験があってだな……」




 早めに祭りに来て良かった。子供達の世話は楽しく、時間があっという間に過ぎていく。おまけに女の姿をしていたら、屋台のおじさん達がおまけを一杯つけてくれるし。たまに女を演じるのも良いもんだ。 


 

 ひとしきり屋台を堪能し、お腹もぱんぱんになった俺達。おまけに夕食時を過ぎると人が溢れかえる程集まってきた。遊びつかれたのか人ごみに酔ったのか、洋太と眞子が疲れた様子なので俺達は奥の神社に逃げてきた。


「結構……でかい神社だな。有名なのか?」


 今は人がまばらだが、初詣ではかなりの賑わいを見せそうな大きな神社だった。お守りや護符を売るような売店もあるが、今はもちろん閉まっている。


「さぁ? すごい古くからあるってのは聞いてるけど……。祭ってる神様も有名だったと思うぜ。えっと……なんて神様だったかな……? あんまり気にしないから……覚えてないな……」


 うんうん考えていた正也だったが、顔を上げると手を一つ叩いた。


「思い出したのか?」


「うん、俺トイレ行きたいんだった! ちょっと行って来るから荷物預かっておいて!」


 ため息を付いた俺の両側で、洋太と眞子もおしっこに行きたいと言い出した。俺はそれほど行きたくないし、浴衣がめんどくさそうなので三人をここで待っていることにした。


 神社脇にあるらしい少し離れたトイレに向かう三人の背中から、俺は神社へと視線を戻す。


「神様とか、俺にはあんまり縁ないよな。親父達もそれほど信心深く無いから、初詣とか行きたがらないしな……」


 俺は賽銭箱の前まで行くと、中を覗き込んでみた。残念ながら中は見えない。俺ってなぜか賽銭箱があったらどれくらいのお金が入っているかを見たくなるタイプなんだよなぁ。


「たまにゃ、拝んどくか。えーと、……10円で良いか」


 俺は賽銭を放り投げ、縄を引っ張って鈴みたいなのを鳴らす。確か先に拝むとか手を合わせるとかいろいろ順番があるって千夏から聞いたことがあるけど、まあ別に良いだろう。


「千夏と幸せになれますように……。ずっと……問答無用で永遠に……」


 手を合わせて目をつぶる俺の上で、鈴がずっと鳴り続けていた。


[ガラン ガラン ガラン ガラン ガラン ガラン ガラン ……]


「いい加減うるさいな! 良い鈴はなかなか鳴り止まないのかぁ?」


 目を開いた俺はあたりを見回す。


 ……どういうことだ?


 神社の境内はそのままあった。しかし、なぜか辺りが暗い。まるで深夜のようだ。僅かに人もいたはずだが、誰の姿も見えなくなっている。街灯も全て灯りが消えていた。


俺は後ろを振り返って見たが、階段を下りたところに並んでいる屋台はあるが全て光が消えている。あれだけいた客がまったくおらず、人っ子一人いない。






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