第二話:最後の日常
ど素人ですので、ある程度の覚悟をお願いします。
いつも通りの空、いつも通りの太陽、いつも通りの雲。いつも通りの道、いつも通りの自販機、いつも通りの擦れ違う人。
いや、擦れ違う人はいつも違うか、うん。
天宮さんに『あんたただの人間と違うねん』的なことを言われ1週間が経った。今のとこなんの変化もなくいつも通りの何の変哲もない日々を送っていた。
「あー、ツマらん」
なんか面白いこと無いかなー、っと草食動物並に視野をおっ広げて見たりしたが、そう簡単に刺激や変化を与えてくれるものは見つかるわけも無く、深い溜め息を吐き、また視野を狭めた。
「グッモーニン楓ェ!」
「ガハッ!」
剛の奴が朝一にシャイニングウィザードをくれた。
これはお返しをしなければならないな、うん。
「おぅ、おはよう……剛!」
そう言いながら俺は膝車で剛を倒し、ギロチンチョークをくらわせたやった。
朝っぱらの道路で何やってるんだ、俺らは。
「痛たたたたっ! ギブギブギブ!」
よし、勝った。
「おー痛い……時に楓よ。天宮さんにはメール送ったのか?」
「……」
これは……本当のことを言うべきだろうか。
まさか向こうからメールが来てしかも家にお呼ばれをした挙句あなたはただの人間じゃないって言われたなんて言っても信じないよなぁ。
よし、言わないのが賢明だな、うん。
「俺……実は昨日天宮さんにメールで家に来いって呼ばれたんだよ」
……ん?
おかしいな、剛が俺がされたことと同じようなことを言った気が……
「それでなんか『あなたはただの人間じゃありません』って言われた」
おいおい、もろ被りじゃねーか。てか俺と全く同じだよね。え、嘘、マジ?
てか良く言う気になったなお前。俺がもしその話知らないでそんなこと言われたら『寝言は寝て言え』と言い、さらに罵倒しただろう。だが、俺は同じ体験を受けてるから信じるぜ。
「実は俺も……」
とりあえず俺も昨日天宮さんと話した一部始終を剛に話した。
「あれは………一体なんだったんだろうな」
剛は柄にも無く真剣な目で俺に聞いて来た。
「さぁ? 新手のギャグじゃねーの」
いつも通りヘラヘラ笑いながら言い返す俺。そうだ、あれはギャグなんだよ。天宮さんが少しでも皆と仲良くなりたいからわざわざ家に呼んでまでしてギャグを言った。ただ、それだけだ。
「でも……あの時の天宮さんの目、どことなく真剣な感じだったよ」
なぁ、剛。純粋なのは良いことだ。お前は馬鹿だし俺と同じようにヘラヘラしてるけど純粋だ。そこがお前の唯一の良いところだ。でも、言われた言葉をそのまま鵜呑みにするのはあまりいいことじゃないと思うぞ。
「お前……自分が普通の人間じゃないと思うか?」
「それは……」
「俺らは彼女もいない至って普通の高校2年生。ただそれだけだ。こんな俺らが普通の人間じゃないと思うか?」
「……」
流石に剛も黙り込んだ。まぁちょっと考えれば分かることだ、俺らがそんじゃそこらにいる奴等と同じ普通の人間なんだってことくらい。
「……そんなに気になるんだったらさ、学校行って天宮さんに聞けば良いさ」
「あ、そうか」
今更気付いたのかよ。
「じゃぁちゃっちゃといくぞ」
そして俺らは走っていった。
そう、俺らの日常を壊すために。
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