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冒険家転生  作者: Futoshi
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第1話 転生

 俺は死んだ。

 だがなんの後悔もしていない。人生に意味など見いだせなかった。

  生まれた時から出来ないことはなかった。勿論、魔術も剣術もだ。物心ついた頃から師匠というものを付けられてきたが教わることなんて何も無かったが、まぁたまにわざとミスをしたりしてめんどくさい事を言われることを避けていた。親や友人からはお前は勇者になれる、魔王を倒せる。そう言われてきたが心底どうでもよかった。


 15になった時には親の反対を押し切り冒険家になった。

 理由は同じ場所に留まることが少ないため、人と関わらなくていいからだ。あと強いていえば綺麗な場所が小さい頃から好きだったので各地の綺麗な場所を回って自由に生きていた。


 そんな生活を10年ほど続けた時、前に5人の魔族が現れた。

話をしようとしたが無駄でまず4人の部下らしき魔族が一斉に攻撃してきた。

 それぞれ雷、水、土、火の魔法を得意としているようだった。その攻撃を全て受け流し、一度に4人にカウンターの斬撃を飛ばしその4人を殺した。飛ばした斬撃をまとめて残りのひとりに飛ばすと、何も反応できずに死んだ。


 次の都市に行くとなぜか異様に歓迎され町中から賞賛の声が聞こえてきた。まるで英雄の帰還のような扱いを受けた。

 あとから聞くところによると、彼らは魔王と四天王と呼ばれる魔族の中でトップクラスの実力を持った奴らだったらしい。


 どうやら奴らは人を支配しようと魔族の最高戦力を用いて人間の住む街を暴力で支配しようとしていたらしい。その道中に俺と出会ってしまったわけだ。あんな弱いなら人間界の支配など出来んだろうに。


 そんな俺でも老いには勝てず。死ぬ1か月前まで冒険家をやっていたが、地元で息を引き取った。享年90。


 なのに、

「なんでまた…」


 俺は転生した。

 転生先はほとんど前の世界とは変わらないような所で、魔術と剣術の世界だった。言語もおなじ。しかし、前世で世界中を旅した俺に知らない場所などなかったが、こんな場所は知らないし、歴史の本にも俺の名前はない。


  既に転生してから2年ほどがたち、一人で歩いたりすることができるようになった。だから死のうと思う。

はっきり言って、めんどくさすぎる。前世でさえ綺麗な風景以外で感動することなどなかった。もうお腹はいっぱいである。


 親が寝静まったところを狙って、風呂に溜まっている水で溺死を試みる。

 あぁ、何も感じなくなっていく。やっと終わりだ。


 結論から言うと俺は死ねなかった。正確には時間が巻き戻った。どこに戻るかはランダム。色んな死に方を試したがタイムリープが終わることはなかった。


 俺は不死なのか、いやそれは違う。なぜなら俺は死んではいる。つまりこれは何らかの能力である可能性が高い。これが俺の能力なのか、はたまた他者から使われている能力なのか。


 恐らく後者であろう。理由は、俺にはやらなければならないことがある。そんな気がする。


 つまりこの能力を使ったやつは俺が何かをするように仕向けている。目的を達成できたら死ねるようになる。これが正しいという根拠は無いが、そんな気がするのだ。


 だがそうだとして、なぜ目的を教えてくれないのだろうか。やって欲しいことがあれば夢にでも出てきて教えてくれれば良いものを。

 俺で遊んでいるのか?

 それを見て楽しんでいるのか?

 そうだとすれば余程性格の悪いやつだ。腹が立つ。前世で頑張ったことはなかったが結果的には英雄になっているのにも関わらずまだ何かをやらそうとしているのか。

 

 いい加減に楽になりたい。まずなんで俺なんだ、他に出来るやつはいないのか、俺にしかできないことなのか、目的の内容も教えないで何かをしないといけないという意思だけが理不尽に与えられ、俺がどんなことをするのかを見て楽しむ。そんなことがまかり通っていいのか。


 死にたい。


「レイス、今日も読み聞かせをしてやろう」


 父親は、レイド・スレイヤー。毎晩のように、昔あった魔族退治の童話を読み聞かせしている。子に少し甘いが威厳のある父親だ。自分の子供が転生していて、文字も言語も理解していることは当たり前に分かっていない。

 

 この世界には魔術のレベル、剣術のレベルが階級で分けられている。下から初級、中級、上級、双級、極級、神級。

 魔術において、その階級を名乗れるのはその階級の魔法を使えるようになること。

 剣術では、その階級の者を倒すこと。


 俺の今の父、レイドは剣術が上級で魔術は初級らしい。


「レイド、同じ話ばかり読むのはそろそろやめたらどう?」


 母親はメイス・スレイヤー。面倒見がよく過保護な母親だ。魔術が上級で剣術は使えないらしい。

 なんというか、とても相性が良い夫婦という感じだろうか、2年間、喧嘩をしているところも見たことがないし、お互いに感謝の言葉を忘れていない。

 前世でほとんど人と関わりを持たなかったから分からなかったが、仲のいい人たちを見るとなんか気持ちのいい感じがする。


「まだこの子に内容は理解できないだろうが、文字を理解するには同じ本を読むのが効果的なんだよ」


 レイドよ、俺はもう内容を理解しているし、文字も言語も理解しているぞ。



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