第1章 祈らない訓練校 第3話 覚悟なき者に、聖女の名はない 3/3
「覚悟のない者に、
聖女の名は許されません。」
声は柔らかいが、
言葉の重みは確かだ。
心の中で、
自分自身に問いかける少女は
決して少なくない。
「覚悟……。
私にできるだろうか…」
教壇の講師長は続ける。
「この訓練校では、あなた方の身体能力や知識だけでなく、判断力、協力力、そして精神力を試す。
失敗することもあるだろう。
しかし。その失敗から学ぶことが、真の聖女への道を作る」
──聖女って、何だろう。
その問いに、まだ答えはなかった。
ただ一つ確かなのは。ここは、奇跡を信じる場所ではないということだった。
「20分の休憩。そのあと、引き続き講義を始める。
遅刻は許されない。
20分後、スタートするので全員着席しているように」
3人の講師たちは一度講義室を退室した。
講師たちの退室を見届けて、候補生たちは思い思いに心身をほぐす。
その中で少し違う様子の少女がいた。
列の中の一人の少女は、淡々と資料に目を通している。彼女の冷静さは、まるで嵐の前の静けさのようだ。
列の中の一人の少女は小さく手を握りしめて、自分に言い聞かせるように小さく呟いていた。
「大丈夫、私ならできる……。大丈夫……」
そんな二人の様子を見ている少女がいる。
彼女は、その二人を見ながら少しだけ心が揺れた。心の中で決意する。
「私も……。諦めずにやらなきゃ……」




