第1章 祈らない訓練校 第3話 覚悟なき者に、聖女の名はない 2/3
「あなた方が扱うのは
“神の奇跡”ではなく
『王国管理下の資源』であると
覚えておくように」
資源。
その単語が、
少女たちに現実を連れてくる。
「この訓練校は、軍・行政・教会の合同管轄である。
あなた方の成績、使用履歴、判断内容は、すべて記録される」
その言葉を待っていたかのように、突然ラファエルとイザベラが姿勢をただし、踵の音が講義室に鳴り響く。
少女たちの行動は、マルコ、ラファエル、イザベラの3人によって観察され評価されるようだ。
癒やす。
救う。
そういう話では、ない。大半の少女が無意識のうちに手を握っていた。
講義室の窓は大きく、外から光が降り注ぎ室内は清々しい明るさで満ちている。なのに、どこか息苦しい気がしていた。
思っていたのと違う……。
少女たちの、そんな揺らぐ思いを汲むようにマルコは続ける。
「皆さんが目指す聖女とは、ただ祝福を振りまく存在ではない。
判断力と行動力、そして責任を兼ね備えた存在である。人々の命を預かる覚悟を持てるか、それが問われる。
覚悟のない者に、聖女の名は許されません。」
声は柔らかいが、言葉の重みは確かだ。
心の中で、自分自身に問いかける少女は決して少なくない。
「覚悟……。
私にできるだろうか…」




