表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/18

 第1章 祈らない訓練校 第3話 覚悟なき者に、聖女の名はない 1/3

 


 講師を迎えるまでの時間は、


 誰もが様々な様子で待ち、


 互いを見つめ、


 自分の立ち位置を改めて意識していた。


 


 


「静かに──!」


 講師長マルコの低く響く声。

 軍服のような服装をした壮年の男の姿があった。


 いつの間に、そこにいたのか。疑問を抱く暇もなく、少女たちの背筋に『ピリ…ッ…』と冷気が走る。

 教壇に立つその姿は威厳に満ち、まるで光を背負っているようだ。


 マルコが講義室の全体を見渡す間に、さらにイザベラとラファエル……二人の講師が姿を見せる。制服でもあるようで、この二人も軍服に似た服装をしている。

 二人はマルコと視線を合わせると、それが合図のように講義がスタートした。


「あなた方は、聖女ではない。

 聖女候補生だ」


 マルコの言葉に、さっき壇上で語る老年の女性の言っていた言葉を思い出す。「さっき校長からも聞いたと思うが──」と、付け足され、あの女性が校長だと言うことを今、知る。


 校長は言っていた。

『そしてこの学校は、祈る場所ではない』

 その“祈らない”という言葉が少女たちの胸の中で引っかかる。

 聖女なのに?


 少女たちの胸中を察することなく、マルコは表情を変えず淡々と語る。


「奇跡の使用には、申請が必要である」


 奇跡の使用……それは祈りのことを意味している。

 緊急時であっても例外は“ない”と言い切っているのだ。


「無断使用は、即時減点。

 場合によっては資格剥奪」


 ざわめきが起こる。


「あなた方が扱うのは“神の奇跡”ではなく『王国管理下の資源』であると覚えておくように」


 資源。

 その単語が、少女たちに現実を連れてくる。


 


 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ