第1章 祈らない訓練校 第8話 数値に現れない光 2/3
ビリジーナの集中力と無駄のない動作に、講師たちはすぐに察知した。その動きは無駄がなく、体の反応が鋭い。
彼女にとって、その時の訓練場は、思ったよりも静かに思えていた。空気の張り詰めた感じさえも、心地よかった。
呼吸を整え、周囲を見渡す。
優位な人たちの動きを真似るよりも、自分の体が覚えている動きを信じよう──。
そう心に決める。
「ここでつまずくわけにはいかない」
彼女は心の奥で静かに決意を胸に秘めた。
周囲の講師や他の候補生の目は気にならないわけでない。
少しでも完璧に近づける。
意識するのは無駄のない動き……!
彼女は自分のすべての動作に集中させていた。
ジェンメリアは観察することに長けている。訓練場のあらゆる音、匂い、動きを敏感に拾う。
仲間の動き。
講師の視線。
数値化された評価の情報。
それらを頭の中で整理する。
自分がどう振る舞えば最適だろうか?
「数字は裏切らない。
でも、直感も無視できない」
わずかに眉をひそめた。
ビリジーナの動き、そしてテリカの挙動を鋭く見つめる。
彼女は瞬時に計算した。
自分の立ち位置と周囲との距離感。最短で成果を出す方法を模索して、完璧に近い行動を心がけている。
ジェンメリアの周囲を冷静に観察しつつ、わずかな隙も見逃さない。その姿から講師たちは、その目の計算高さを見抜いていた。
テリカは、まだ周囲に溶け込めず、少し孤立した感覚を抱えていた。
彼女は自分の能力に自信があるが、他者との比較に緊張し、無意識に体が硬くなっている。
「どうして皆、あんなに堂々としていられるんだろう……」
少し目を伏せ、呼吸を整えながら、自分のペースで動作を行う。講師の評価や数値よりも、自分の感覚と経験を信じる動きが見える。
その慎重さは、講師たちの目にもわずかな差異として映っていた。




