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第1章 祈らない訓練校 第5話 信じるな、理解しろ 2/3
「神は、万能ではない」
「少なくとも、
我々が扱う範囲では、ですね」
神官に少し離れた場所にいた、
工学側の女性が、
即座に引き継ぐように言葉を繋げた。
そしてそのまま、彼女は黒板に円を描いている。
「これが、神の“影響圏”、そして……」
円の外に、点を打ち「奇跡を起こす現場」と、続けた。
神官は工学の女性の言葉に捕捉する。
「祈りとは、神に願う行為ではない。正確には、“接続要求”ということだ」
条件が合致しなければ、応答はない」
接続。その単語に、誰かが息を呑んだ。
工学の女性が、指を鳴らして注目させる。
「回線が混んでれば、落ちる。
媒介が不安定なら、ノイズが入ります。
術式が雑なら、誤作動しますね」
それは、通信の話だった。
続いて黒板に、番号が振られる。
「奇跡が失敗する理由は、三つ。
一、環境不適合、
二、術者の未熟、
三、神側の応答不能」
誰かが、恐る恐る尋ねた。
「……神様の、都合が悪い時も?」
神官は声の主に視線を負ける事なく、表情を変化させることもなく、短く「ある」と、だけ答えた。




