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vintage   作者: 河村諭鳥
9/9

9

それから、30年以上もの月日が経ち、進学や就職や結婚や出産や育児等を経ていく内に、 ○○の事がすっかり思い出になった時、

ほとんど捨ててしまったけど、 このサイン入りCDだけは大切に仕舞っていたと、今思い出した。


私は、携帯電話を取り出し電話を掛けた。


「もしもし、お姉ちゃん?うん、今日引っ越しだったんだけど、 懐かしい物見つけちゃってね、私が高校生の時の、あの時のアルバム覚えてる?

そうそれ、『vintage』 」


と話し続けた。


               (終わり)

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