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次の日、学校を休もうかと思ったけど、やっぱり行く事にした。
普通に朝御飯を食べ、自転車に乗り、何事も無かったかの様に登校した。
教室に入ると、昨日喧嘩した子が私を見るなり表情を硬くしたが、すぐに他の子達と喋り 始めた。
もともと違うグループでほとんど喋った事も無いので、内心ほっとした。
鞄を机に降ろしてると友達が、
「どうしたの、その傷?」
と聞いてきたので、
「ちょっと転んじゃったの」
と答えてごまかした。
そして、それから何事もなく月日が流れ、○○のサイン会の日になった。
「恵!早く!」
と姉に言われ、
「待って待ってー!!」
と急いで鞄を持って自転車に乗った。
初めて今まで大好きだった人に近くで会える、サインを貰える。
もうこんな機会二度と無いかも!?
と思うと、さすがに自転車を漕ぐスピードが急速に上がっていった。