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「サイン入りCDって今いくら位で売れるのかな?」
「来月、○○のサイン会あるじゃん。これ1人2枚までだから、友達誘って2枚づつ買っ て、ネットで高く売れるんじゃない」
「ああー、○○なら高く売れるかもね。ライブのシリアルも入ってるし」
「でしょ、やっちゃわない!?」
「いいね!!!」
「ええーハハ!!!!」
放課後、忘れ物をしたので取りに行こうと教室に戻ろうとすると、クラスメイトの女子二人が笑いながら話していた。 私は、廊下で聞いてて、だんだん腹が立ってきて、
「そんな事したら駄目なんだよ!」
と扉を思い切り扉を開けながら言った。
「はぁ?何言ってんの?そんなの冗談に決まってるでしょ」
とクラスメイトが言った。
「冗談で言ってる様には聞こえなかったけど」
と私が言うと、クラスメイトは笑いながら。
「冗談も分からないの?こんなもの売っても1円にもならないしー」
私はその言葉に猛烈に腹が立ち、
「あやまれー!!!!」
と思わずその子の肩を押した。
「何すんのよ!!!」
「人が必死で作った作品何だと思ってるのよ!!! 作品にあやまれ!!!○○にあやまれ
ー!!!」
と取っ組み合いの喧嘩になった。
「ちょっとやめなよ!!」
ともう一人の子が止めに入った。
その後、私とその子は職員室に呼ばれ、反省文を書き、そのまま帰された。
私は表情を硬くしたまま家に帰り、
ただいまも言わずに部屋にこもり、
ベッドの上で布団を被った。
「恵、ごはんだって」
と姉が部屋に入ってきた。
「いらない」
と私は言った。
「どうしたの?」
「٠٠٠」
「そうだ、今日○○がTV出るよ」
姉が言ってきたので、私は布団から顔を出した。
傷ついてるのを見て、姉は驚き、
「どうしたのよ!?」
と言ってきたが、
「帰り道に転んだだけ、ごはんいらないってお母さんに言っといて」
と言った。
「分かった」
と言って姉は部屋を出た。
その日は、お風呂だけ入って眠った。