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徒然なるままに陰陽師  作者: Noise
まだまだ帰れない
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あー言えばこー言う



「浅桐の事だが…。」


業平が不安そうに明に聞く。


食事会を無事に終え、せっかくの豪華客船だからと業平と船内を探索中だ。


忠と森下は早々にバーラウンジへ向かった。

悠一も行けばいいのに、明達の後ろについて回る。

当然、明が避けたい山崎も居て、由利香までもがついて来る。


「山崎が言った通り…。彼女の祖母が憑いてるって程度の話よ。彼女に心配事でもあるんじゃない?」


身内の魂が残る事はよくある。

ほとんどが大した事のない心配事を未練として残す為だから、原因が解決する頃には自然と居なくなる。


ごくたまに、未練が達成されずに邪な存在へと変化するものもあるが、滅多にある話でもない。


そもそも陰陽局の局員、一応は陰陽師なのだから、そうなる前に自分で気配くらい感じるべき。


今の明は如何に業平とデート気分を味わうかが、浅桐の事よりも大事である。


様々なエリアが有り、まるで町のような客船。

今は中央のショッピングモールを探索中。


時折、明達以外の人間を見かけるが、交代勤務で休み中の乗務員がサクラとして歩き回ってるらしく、同じ顔を何度も見かける羽目になる。


「アミューズメントエリア…。」

「プールもあるぞ。ジムも…。」

「カジノだって…。」

「明には、まだ早い。」


またしても子供扱い。

業平と明にとってバランスの良い場所を選ぶだけで一苦労だと思う。


「カジノ行こうよ。コインゲームのエリアなら未成年でも入れるみたいだよ。」


山崎の方がノリが良い。

頭の堅い業平よりも遊びに行くだけなら楽そうだと思ってしまう。


「ダメだ。明姫様に報告が行く。」

「なら、業平は何処に行きたいの?」

「ジムで良くないか?」


わざわざ夜の船で汗水を垂らしたいとは思わない。


「やだ。」

「なら、やはりプールか?ウォータースライダーがあるぞ。」

「プールは島で飽きました。」

「島にウォータースライダーはなかったろ?」


あー言えばこー言うの会話にイライラが募る。


「業平だけ行けば?」

「明…。」


2人の意見が反目すれば


「それでしたら業平様。私がジムでもプールでもお供致しますわ。」


由利香がここぞと割り込んで来る。


「業平…。」

「映画、ほら…、映画館に行こう。この最新映画、飛行機で見逃したやつだよな?」


本当は映画とか気分じゃない。

それでも普通のデートに近い気分が少しでも味わえるなら仕方がない。


「映画?だったら、こっちのショーのが良くない?ショーのスタッフさん達も全くお客さんが来ないと寂しいっしょ。」


と山崎が壁に張り出されてるポスターを指差す。


「ショーねぇ…。」


割りと人気のショーではある。

大きな水槽を使ったリアル人魚姫を見せるショー。

映画は後でも観れるが、このショーはこの船でしか観れないかもしれない。


「でも、お客さんが居なかったら、こんな大掛かりなショーとかやってないんじゃないの?」

「ディナーの時、船長が言ってたじゃん。本船は通常運行だってさぁ。」


山崎が行こうと訴える。


「業平はショーでもいい?」

「俺は…、明が行きたいのなら…。」


どこにでもついて来る。

ある意味、業平は悠一と変わらない。

そんなこんなで明とお供の一行は、リアル人魚姫を観に行く事が決定した。



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