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徒然なるままに陰陽師  作者: Noise
明の学園生活
15/88

勝利?



「今日はまた...、随分と疲れてるね。」


学校帰りに寄る祖父の喫茶店で燃え尽きた明が居た。

明の前にマニアが喜ぶレベルのコーヒーを出した祖父の安倍(あべ) (ただし)が心配そうに覗き込む。


「お爺さまぁ...、来週の三者面談...、どーしよう?」


基本、明は忠を一番信用してる。

安倍の関係者の中で祖父が唯一、まともな人間だと思ってるからだ。


実際は、まだ幼い明に


『そもそも陰陽師なんてのは詐欺師とほとんど変わらないんだよ。占いで豊作を予言したりして最もらしい事を言ってるけど、豊作なんて、気候に何も問題が無ければ豊作で当たり前だし、(あやかし)や鬼なんか存在しないのに退治したフリをして都の偉い人達を信じさせて楽な生活をしてた悪党の集まりなんだから、明も安倍家の次期当主なんて立場は気楽に考えれば良いからね。』


と余計な事を吹き込んだ忠は、安倍家にとっては一番迷惑な存在である。


「明♡学校の三者面談?保護者が必要ならパパが行ってあげるよ。」


毎日ように、学校帰りは祖父が経営する喫茶店に明が立ち寄る事を知ってて待ち伏せしている悠一が期待を込めて明を見る。


明が三者面談の保護者に悠一を選べば、学校の出禁が解除されるくらいにしか考えてない悠一を明は居ない人間として無視をする。


(この人に頼んだら、お婆さまに殺される。)


かといって、業平も無理。

明姫は今年も忙しい。


「私が行こうか?」


忠が明の頭を撫でて優しく言う。


「お爺さまが?」


願ったり叶ったりだ。

忠ならば、明姫も文句は言うまい。


そもそも、祖父と祖母は大恋愛の上での結婚だ。

当時、陰陽局の局長だった祖母と局長補佐だった祖父。

明姫の方が忠にベタ惚れだったと噂で聞いている。


その証拠に明が悠一に会う事に協力的な態度の忠に対して明姫は何も言わない。


ただ、明の教育上、忠の存在は困るという理由だけで現在は別居中というだけである。

いずれ明が安倍家当主として収まれば、明姫は忠とヨリを戻すはず。


「でも...、お店はいいの?」


一応、しおらしく聞いてみる。


「孫の為に1日休むくらい...、どうって事ないよ。」


忠の言質はとったと明が拳を握る。


「なら、今年はお爺さまにお願いするわ。」


満面の笑みを浮かべ、そそくさと喫茶店を出ると待たせていた車に乗り込む。


「急いで帰るわよ。」


後は明姫の許可を得れば問題ない。


夕食の時に忠が三者面談に来ると明姫に打診すると明姫の反応は予想通りだ。


「あら、あの人が明の三者面談に?」


頬を紅く染め、モジモジとしながら落ち着きを失くす祖母...。

今夜は仕事だと言って業平も居ない。

明と2人だけのせいか、明姫も少し気が緩んでる。


「本当に、あの人が来るの?」

「ええ、だから、お婆さまはお仕事へ...。」

「いえ、あの人だけじゃ不安だから、私も一緒に...。」

「お爺さまなら大丈夫です。」

「そぉ?」


女とは、幾つになっても女なのだと、まだ恋愛の入り口にすら立ってない明が悟る。


(首を洗って待っていろ!三者面談!今年こそは私の勝ちだ。)


何と戦っているのかはよくわからないが...。

この日、真夜中の安倍家の屋敷からは、怪しげな女の高笑いが響いていた。



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