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成金お嬢様、めちゃくちゃ訓練試合にのめり込む

そして始まる訓練試合。特別席から見るそれは…圧巻だった。


魔法を駆使して戦う剣士たちは、みんな訓練試合ということを忘れているのかと疑うほど本気。命がけの戦いなのかと見紛うほどの勢いに、会場は湧く。


そしてそれに対してルーヴルナの反応は…。


「赤い鎧の貴女、頑張りなさいませー!そこですわー!」


めちゃくちゃのめり込んでいた。


「赤い鎧のお姉ちゃん、負けるなよー!」


「頑張れー!」


「…」


ルーヴルナの応援する赤い鎧の魔法剣士に、モーントとリムルも声援を送っている。ジルも静かに応援していた。


ちなみに、ルーヴルナが赤い鎧の魔法剣士を応援する理由は先程の逆転勝利である。


先程の試合では、赤い鎧の魔法剣士…ビジューは相手の魔法剣士に最初押されていた。ビジューは珍しく女の魔法剣士である。腕力では他の魔法剣士たちに押されてしまう。


けれどビジューは魔法剣士だ。己の魔法を駆使して、油断した相手の魔法剣士を転ばせた。体勢を崩した相手を追い込むのは、ビジューにとっては余裕だった。


その格好良さに、ルーヴルナは惚れ込んでしまったのだ!


「赤い鎧の貴女ー!またも勝利!かっこいいですわよー!」


特別席の見目麗しいお姫様。それが国一番の商人の娘、成金お嬢様だとビジューは知っている。…自分たちの恩人だと、ビジューは知っている。


「レディー」


ビジューはルーヴルナに向かって跪き、ルーヴルナに聞こえるように声を上げる。


「応援ありがとうございます。勝利をレディーに捧げます」


ビジューのその格好良さに、ルーヴルナはもちろん周りにいた貴族のご令嬢も悲鳴に近い歓声を上げる。


「じ、ジル!あの赤い鎧の方、わたくしの声援に気付いてましたわ!?」


「そうですね、お嬢様」


これで男性の魔法剣士であれば、ジルの心に荒波が押し寄せていたところだった。しかしビジューは女性。ジルは反応が可愛いなと、穏やかな心でキャーキャー騒ぐルーヴルナを見守っていた。


モーントとリムルは、ビジューが女剣士でよかったなぁとなんとなく色々察していた。

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