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成金お嬢様、お従姉様に媚びる

「ルーヴルナ、そんな君にプレゼントだ」


「え」


カサンドラは一着のドレスを差し出した。


「ボクのデザインしたドレスだよ。当然製作したのもボクの商会のお針子たち」


「ええ!?」


カサンドラは今、ドレスをデザインし製作して売り出すまでの全ての工程をまとめて事業化している。


カサンドラのセンスは多くの貴族から認められるものであり、最近では流行りの蛇鶴國の着物のエッセンスも取り入れるなど挑戦的なこともしている。


ともかく、そんなカサンドラがデザインしお抱えのお針子たちに作らせたドレス。それはルーヴルナですらそうそう買う気にならない値段のそれなはず。


「え、え、も、もらっていいんですの…?」


「ああ。ルーヴルナにこそ着て欲しいんだ。ルーヴルナをイメージして作ったんだよ」


そのドレスは、真っ白で軽やか。可愛らしさと清楚さを前面に押し出したもの。


…ルーヴルナはカサンドラには今の自分がこう見えているのかと青ざめた。


自分はそこまで上等な人間ではないし、ノブレスオブリージュとかクソ喰らえなのだが…ここまで来たら騙しきるしかない。


「お、おほほほほ!嬉しいですわ!ありがとう、お従姉様!わたくしこれからも人々のために精進しますわ!」


「偉いね、ルーヴルナ。そのドレスなのだけれど、是非今度の魔法剣士たちの訓練試合に着てくるといい。そこでボクにも見せておくれ」


「…あ、あー!ええ、ええ、是非そうしますわ!」


そういえばそんなイベントもあったなと思い出しつつ力強く頷く。首がもげるかと思うほど頷く。それを見たカサンドラは勝手に、そんなに喜んでもらえたのかと嬉しくなる。


「ふふ。訓練試合、楽しみだね」


「そ、そうですわね、お従姉様!」


ルーヴルナは訓練試合が憂鬱になった。

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