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成金お嬢様、お茶会をする(後編)

「…ということで、蛇鶴國の緑茶をご用意しましたわ!温かな緑茶は健康にも良いとか。ごゆるりと堪能してくださいまし」


ルーヴルナは手ずから緑茶を淹れ、フルールやクリスティアン、ランスロットに振る舞う。


庭の東屋から見える風景も、普段とは違った。蛇鶴國の庭園風に変わっている。


蛇鶴國にどっぷりハマったルーヴルナのわがままで、庭の一角を弄ってもらったのだ。


「これはまた本格的だな!ルーヴルナ殿はセンスがいい!」


「こういうお庭も素敵ね!」


「ルーヴルナ、すっかりと蛇鶴國を気に入ったようだな。今度、蛇鶴國の装飾品でも贈ろうか」


ランスロットとフルールは純粋に蛇鶴國風のおもてなしに感心して、クリスティアンはルーヴルナの蛇鶴國へのハマりっぷりに目をつける。


ルーヴルナはランスロットとフルールに褒められて鼻高々だ。なおクリスティアンからの贈り物は理由をつけて断ろうと心に決める。


「さてさて、緑茶とやらのお味は…うむ!すっきりとした味わいだな!」


「甘いお茶も好きだけど、こちらも美味しいわ」


「ふうん…うん、嫌いじゃないな。甘いお菓子がよく合いそうだ」


クリスティアンの言葉に、ルーヴルナは反応した。


「ええ!そうですの、クリスティアン様。ですからお茶菓子として、蛇鶴國の和菓子というお菓子を用意しましたわ」


「和菓子…聞きなれないな」


「上品な甘さのお菓子ですのよ!色々あるのですけれど、今日はわらび餅というのを用意しましたわ」


ルーヴルナがわらび餅を配る。見慣れないお菓子に興味津々のランスロットとフルール。クリスティアンは不思議そうに眺めている。


「わらび餅…不思議な見た目のお菓子だな?」


「早速いただくぞ、ルーヴルナ殿!…うむ、美味い!」


「いただきます…んん、とっても不思議な食感!この粉も黒い蜜も美味しいわ!」


「黒い蜜はその見た目通り黒蜜と言いますの!とっても美味しいですわよね!粉はきな粉、大豆から出来ているそうですわ!」


「…ん、美味しい。なるほど、これは…蛇鶴國由来の物も上手くすればもっと流行りそうだな?」


クリスティアンが目の色を変えた。ルーヴルナは特別お金儲けをしようという気はないので、クリスティアンが蛇鶴國ブームの火付け役になりたいのなら好きにしろと放置する。


「ふんふん、我も従兄弟に頼んで蛇鶴國の物を集めてみるかな」


ランスロットも蛇鶴國に興味が出たらしい。まあ好きにすればいいとルーヴルナは流す。


「ルーヴルナ様、よかったら私にもこれを買ったお店を教えて?」


「ええ、もちろんですわ!」


フルールとも蛇鶴國の物を共有できる、とルーヴルナはご機嫌になった。フルールのことは好きなルーヴルナだった。


ともかく、こうしてお茶会の時間は楽しく過ぎていったのだった。

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