成金お嬢様、お茶会をする(中編)
「…着付けありがとう。ルーヴルナのところに向かうか」
「我も着替えたから行くぞ!そこのホムンクル…子供!よくやった!」
クリスティアンとランスロットの二人が着替え終わる。
「ルーヴルナ様、着付けありがとう!」
「いえ、どうってことありませんわ!わたくしも…よし、これで大丈夫ですわ!」
フルールとルーヴルナも、着替え終わった。
なお、クリスティアンとランスロットはジルとリムルが着付けを行った。
フルールの着付けはルーヴルナがして、ルーヴルナ自身は自分で着替えた。
これで準備完了である。
「ルーヴルナ、着替え終わったか?」
「ええ、ちょうど今!出ますわね」
「ああ」
そして出てきたルーヴルナに、クリスティアンは見惚れた。
ルーヴルナの美しい髪が結われていてすごく色っぽい。簪も良く似合っている。季節の花の柄の着物はルーヴルナの美しさを引き立てる。どこを切り取っても美しい。
クリスティアンの目には入っていないが、フルールももちろん美しい。うなじが見えるのも色っぽいし、着物がとても似合っている。
「美しいな…」
「ルーヴルナ殿はやはりセンスがあるな!そこの…フルールと言ったか!お前もなかなか似合っているぞ!」
「まあ、ありがとうございます!」
聖王に褒められて、フルールは感激する。クリスティアンはルーヴルナに見惚れていてそれどころではない。
「クリスティアン様も素敵ですよ!聖王猊下もとても似合っています!ね、ルーヴルナ様!」
「ええ、とっても!」
一方のクリスティアンとランスロットも、これまた着物がとても似合っている。
身長の高いクリスティアンが着物を着るととても様になるし、男の色気が最大限に引き出されていた。
ランスロットはランスロットで、幼いからこその可愛らしさが前面に押し出されている。何も知らない人がみたら可愛いとはしゃぐくらいには可愛い。
「この着物というのは、どこで手に入れたのだ?」
「レジス様のお店で」
「…従兄弟と知り合いだったのか!?」
「はい、お店で知り合いましたの」
「そうかそうか…あいつの力説していた蛇鶴國の魅力とはこういうことだったのか。次からはもうちょっと真剣に話に付き合ってやろう」
うんうん頷く聖王ランスロット。
「じゃあ、今度こそお茶会といこうか?」
「ええ、そうですわね」
いよいよお茶会の始まり。ルーヴルナに案内された三人は、庭の東屋にておもてなしを受けることになる。