成金お嬢様、蛇鶴國のモノを買いまくる
「ところで、我が国では蛇鶴國のモノはまだ流行っていませんわよね?」
「うん。こんなに可愛らしいのに勿体ないよね」
「そうですわね。ということで全部買い取りますわ」
「…え?」
「着物もこの…これなんですの?」
モーントが帯ですよと耳打ちする。
「帯も扇子も簪も、全部買い取りますわ!」
「え、男物もあるけど」
「まあ素晴らしい!ジルやモーントに着せるのも楽しそうですわ!」
「こ、子供用もあるけど」
「リムル!帰ったら早速着なさい!」
このお嬢様、めちゃくちゃノリノリだがここまでテンションが上がると誰も止められない。
「…サービスで着付けの方法を書いた紙を上げるよ」
色々突っ込みたかったが、ルーヴルナが規格外の金持ちなのは周知の事実。売れてくれればレジスの懐も潤うし、まあ断る理由はない。
しかし着付けが出来ないと買った意味がないだろうと、着付けの方法を紙に書いてプレゼントすることにした。
「ああ、着るのが楽しみですわ!どうせならこれを着てお茶会とか良さそうですわね!」
「それなら茶器や緑茶か抹茶の茶葉、蛇鶴國の茶菓子も手に入れるといいかもしれないね」
レジスがそう言えば、ルーヴルナはさらに瞳を輝かせる。
「まあ、オリジナルの茶器もありますのね!緑茶か抹茶は…たしか、発酵してないお茶の葉ですわよね?お茶菓子も良さそうですわー!」
「ふふ、そうだね。蛇鶴國の茶器は渋くてかっこいいよ」
「まあまあ!素晴らしいですわ!ということで、調達してくださる?」
「…え?」
「報酬はもちろん前払いでお支払いしますわ!どうかしら?」
ルーヴルナの急なお願い。レジスは少し困ったように笑うが、頷いた。
「全部買ってもらったしね。報酬もあるなら手に入れてこよう。どうせ新しい着物たちを仕入れないといけないし。ただ、一週間は時間が欲しいな。蛇鶴國への行き来は時間がかかるからね」
「もちろんですわ!」
こうして無理なお願いも通り、ルーヴルナは蛇鶴國の色々な商品を手に入れた。着物はピンキリで、高いものはものすごく高いのでお小遣いは使い果たしたが。
一週間後。レジスから茶器や緑茶の茶葉、日持ちするお茶菓子も届いた。報酬は前払いしたのでそれ以上は必要ないとのこと。
ルーヴルナは、早速ウキウキでジルとモーント、リムルと四人でお茶会を開催。とても盛り上がって、ご満悦のルーヴルナだった。




