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成金お嬢様、やっと休める

「聖騎士団だ!貴様らを拘束する!」


「は!?聖騎士団!?」


「貴様らは子供たちを虐待していたな!我らが神に背くその行い、決して許せん!」


「ぎゃ、虐待なんて…っ」


「既に子供たちの証言は得た!ルーヴルナ殿から人身売買の証拠も得た!お前たちの言い訳には付き合う必要もない!」


聖騎士団の団長のその言葉に院長は怒り心頭だ。


「あの小娘、私たちを売ったのか!?いや、まさか最初からそれが狙いで…っ」


「その通りだ。ルーヴルナ殿は自らを危険にさらすことで、お前たちの悪の証拠を掴んだのだ!」


「な、なんてことを!」


「暴力はなかったようだが、子供たちを飢餓寸前まで追い込むなど言語道断!大人しくお縄につけ!」


「くそぉっ!」


院長たちは、拘束されて中央教会の地下に収容。拷問を受け今までのことを全て白状させられた。その上で審問を受け、教義に背く重大な行為をしたと認められて鉱山送りにされた。


この国において、鉱山送りは牢に入れられるよりも辛いかなりの重罪。死ぬまで辛い肉体労働が待っている。


彼らはそこでようやく、自分の過ちを知るのだ。



















「…ああ、ようやく審問が終わって鉱山送りになりましたわね。最初からこうなると決まっていたのに、長かったですわ」


「まあ、たった一か月で拷問から審問から何から、全部片がつく方がむしろ異常ですけどねー」


「早過ぎますが、それだけ聖王猊下が本気だったということです」


「しんもんって大変なんだね」


ルーヴルナは優雅に紅茶を飲みつつ、やっと終わったとため息を吐く。


「異様にはやく片付いたのはわかってますわ。でも審問に呼ばれるのってストレスですのよ。証言者とか二度とやりたくないですわ」


「そうですねー、お嬢様はよく頑張りました!」


「お嬢様えらーい!」


「お嬢様、本当にご苦労様でした」


「でもまあ、審問の結果が出て彼らが鉱山に向かったのを見届けてから孤児院に寄りましたけど子供たちも元気になっていましたし…苦労した甲斐はありましたわ」


保護されて一か月。子供たちは身体に肉がつき、肌や髪も綺麗になっていた。幸せそうに笑い、家事手伝いやお昼寝、勉強や外遊びをする様子を見れば苦労した甲斐もあったと言えた。


「孤児院の運営資金も今のところ問題ありませんし、今月も必要分は寄付をしましたし…今月はもうお小遣いの使いどころはありませんわね?」


「そうですね、お嬢様」


「でしたら」


ルーヴルナは瞳を光らせる。


「今月こそ、豪遊致しますわ!」


結局のところ、彼女は相変わらずである。

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