成金お嬢様、孤児院に乗り込む
「これはこれは、お嬢様!寄付金のお話ですか?」
ルーヴルナが孤児院に乗り込めば、その身なりを見て一目で金持ちだと気付いた「先生たち」が出てきてルーヴルナを応接間に通す。
ルーヴルナはモーントに護衛をさせ、リムルには子供達全員にお菓子を行き渡らせてお腹をいっぱいにさせるよう指示した。リムルはお菓子を持ってルリと共に子供達の元へ行く。
「寄付金、というか。…子供達を、全員引き取らせていただきたいんですの」
「…ほう?」
「もちろん。…ただでとは言いませんわ」
ルーヴルナは、ジルにお小遣いの半分を託した。そしてもう半分をルーヴルナは持っている。
そのさらに半分を、孤児院の運営者たちに差し出した。
「これでいかがかしら?」
「…もう一声」
なんと欲深いブタどもだろうと内心罵るが、笑ってもう半分を差し出す。これで、ルーヴルナの手持ちはない。
「ふふ、さすがにこれ以上の値上げは認めませんわ」
「…たしかにいただきました。では、契約書です」
契約書にお互いのサインを確認したルーヴルナ。一枚は孤児院、もう一枚はルーヴルナが受け取る。
「…子供が一人もいなくなって、大丈夫ですの?」
「子供などすぐに増えますよ」
なんて大人だ。薄汚い。ルーヴルナの汚物を見る目に気付かない「先生たち」は皆ご機嫌だ。特に、契約書にサインをしていた院長は。
ルーヴルナは、金で子供達を「買った」。しかし、それは保護のため。
そして、運営者たちをタダで済ますつもりもない。子供達の証言とこの「契約書」の存在で、確実に潰す。
ルーヴルナ自身、契約書の存在に脅かされる可能性はあるが聖王ランスロットにあとで事情を説明するつもりだ。上手くやれば助け舟も期待できる。
そして獣人の仲間を助けて貰った時の経験から、見守っていたモーントも全てを察して黙っていた。
「…では、子供達は連れて行きますわ」
「ありがとうございました!」
ルーヴルナは子供達の元へ行く。
「こんにちは」
「こんにちはー!」
「お姉さん、お菓子ありがとう!」
「ええ、お腹はいっぱいになったかしら?」
「うん!」
子供たちの笑顔に、ルーヴルナも微笑む。
「さあ、貴方達はこれからわたくしとちょっとお出かけですわ」
「えー?」
「なんでー?」
「ふふ、お菓子のお礼と思って来てくださいませんこと?」
「んー…いいよ!」
子供達が頷けば、ルーヴルナは手を差し伸べた。
「さあ、ルリ。みんなで安全な場所へ行きますわよ」
「…!」
ルリは再び、天使だと呟いた。




