成金お嬢様、豪遊する
「今月はお小遣い使い放題ですわ!!!」
ルーヴルナは、今月もまた両親から多額のお小遣いをもらった。
そして、今月は変な夢も見ていない。
つまり、久し振りに豪遊し放題である。
「さあ、買えるものを買い漁りますわよ!」
ということで、ジルとモーント、リムルを連れてお買い物をしにお出かけするルーヴルナ。
「この店にある甘ーい保存の効くお菓子、全部くださいな!」
ルーヴルナのその言葉に、目をまん丸にしつつも保存の効くお菓子を全て差し出すお菓子屋の店員。
「ジル、お支払いを」
「はい、お嬢様」
支払われた額に、店員はビビリ散らかす。そんな店員たちの態度を見て、とても良い気分になりつつモーントに荷物持ちをさせルーヴルナは店を出る。
その時だった。
「きゃっ」
「お嬢様!」
ルーヴルナにぶつかりそうになった女の子がいた。すんでのところでジルがルーヴルナの腕を引いて回避したが。
「貴女、どこを見て歩いておりますの!?」
「ご、ごめんなさい!お腹が空いていて…」
ルーヴルナが良く見れば、相手の女の子は異様にやせ細っていた。
「…貴女、もしかして訳ありですの?話なら聞きますわよ」
ルーヴルナはチャンスだと思った。人のために尽くすことができる人がジルの好みなら、ポイント稼ぎになるだろう。
「え、あ、あの」
「わたくし、先程ちょうど保存の効く甘いお菓子を大量に購入したんですの。事情次第では分けて差し上げてもよろしくてよ?」
そう言ったルーヴルナに、女の子は天使だ…と零した。
その発言に気を良くしたルーヴルナは、優しく女の子に微笑んだ。