表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/58

成金お嬢様、従者とのお茶会を楽しむ

「お嬢様、クッキー美味しい?」


リムルの質問に頷くルーヴルナ。


「ええ、リムルには素質がありますわ」


「えへへ、本当?嬉しいな!」


「あ、お嬢様!教えたのは俺ですよ!」


「ふふ、モーントもさすがですわ」


「ふふん」


そして、ジルに向き直るルーヴルナ。


「でも、わたくしの大好きなココアを淹れてくれたジルにはまだまだ敵いませんわね?」


「えー」


「そんなー」


「この中では一番の古株ですので」


どこか誇らしげなジルにクスクスと笑うルーヴルナ。


「ところで…」


「はい」


「せっかくのお茶会ですもの。三人の好みの異性とか、聞いてみたいですわ!」


ルーヴルナはこれを機にジルの好みをリサーチする気だ。


ルーヴルナはジルの主人とはいえ、貴族とかではない。あくまでも商人の娘だ。だから、ルーヴルナとジルが両思いになれば結婚だって望めるだろう。特に身を引く理由もないので、ルーヴルナはジルと結ばれることを夢見ている。


「そうだなぁ…俺は背の高い女の方が好みですね!あと胸のでかい女!」


「あらそう」


「あ、お嬢様が聞いたのにー!」


モーントの明け透けな物言いに、ルーヴルナはふーんという態度。モーントの抗議もムシである。


「リムルは?」


「僕は可愛い子がいいなぁ」


「まあ!外見も大切ですけれど、中身もちゃんと見て差し上げるんですわよ」


「はーい」


素直なリムルに、にっこり笑うルーヴルナ。


「で、ジルは?」


「私は…人のために尽くすことが出来る人、でしょうか」


その言葉に、どきりとするルーヴルナ。ルーヴルナは鈍感系主人公ではない。まさかまさかとジルを見る。


ジルは、微笑むばかりだった。


ルーヴルナは、ジルに翻弄される。


「では、お嬢様。お嬢様の好みを伺ってもよろしいでしょうか?」


そういって微笑んだジルを、ルーヴルナは真っ直ぐに見られない。目をそらして、言った。


「わ、わたくしを…そばで支えてくれる方かしら」


その言葉に、ジルは瞳を揺らす。けれど、ジルの方から仕掛けることはない。ジルはただ頷いた。


意外と鋭いリムルとモーントはなんとなく二人の間の空気に気付いたが、特にそれに関して突っ込みはしなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ