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成金お嬢様、初めての仕事を与える
「ということでリムル。貴方は今日からわたくしの執事見習いですけれど」
「うん!」
「まずは、執事見習いとして最低限の教養から身につけていただきますわ」
そうルーヴルナが言うと、モーントが紙の束とペンをリムルに差し出した。
「ガキンチョ、俺が教えてやるから今から読み書きの習得をするぞ」
「え、お兄さんが教えてくれるの?」
「なんだ?文句でも?」
「ううん!怖い人じゃなくてお兄さんでよかった!」
そう言って笑ったリムルに、モーントはニヤリと笑った。
「ふっ…俺は厳しいぜ」
「お手柔らかにね!」
「やなこった!さ、ペンを持て!」
「はーい!」
机に向かうリムルとモーント。ルーヴルナはくすくす笑いそれを見守る。
「まるで兄弟ですわ!」
「ふふ、そうですね」
ジルも穏やかな表情で、勉強を始めた二人を見守る。
ちなみに、モーントが読み書きを習ったのは例の黒魔術をモーントに教えたと言う怪しい人物だが…そちらはその後、未だに接触はない。