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成金お嬢様の執事と護衛、めちゃくちゃ話し合う

「さて、復興のお手伝い…とのことですが」


「うーん。お金がたくさんあるのはわかるが、どう使えばいいんだ?」


「やはり、まずは崩壊した建物の完全な解体や、瓦礫の除去…内乱後ですし、下手な爆弾や地雷などがないか調査しそれも除去する必要がありますね」


ジルが腕組みして、指をトントンと鳴らしながら言う。


「それをやってもお金はまだ使えるか?」


「おそらく余裕はあるでしょう」


「なら、食料や飲み水の支援もしよう。現物支給で」


「ああ…大事ですね」


「でも〝復興〟のお手伝いだもんな。それだけじゃ足りない…」


ジルとモーントがそんな風にまじめに考えている横で、ルーヴルナはぐっすり寝ていた。お昼寝がすっかりと習慣になっていたのだ。


ジルとモーントはそんなルーヴルナをちらりと見る。爆睡しているルーヴルナに、心底ほっとしてから話題に戻る。


「お嬢様の名前で、融資を行いましょう」


「融資?」


「ええ。多くの人々は内乱で職も失い、路頭に迷っているでしょう。そこで、新しく商売を始めるための元手になるお金をお嬢様の名前で融資します。無利子無担保で、将来どれだけ掛かっても返してさえくれればいいという形で」


モーントはキョトンとする。


「その条件ならいっそ、無償で与えればいいんじゃないか?」


「そうですね。でも、それでは支援を受ける人たちに甘えが生まれてしまう。今は緊急事態なのでそれでもいいですが、将来また困った時に誰かに助けてもらえるだろうというメンタルになってもらっては困ります」


「あー…」


「そういった甘えが、何かあった際になんで助けてくれないんだ…という怒りに変わるといけませんからね」


「そりゃ厄介だな。わかった、融資にしよう」


こうして〝ルーヴルナの名前を使って〟ジルとモーントによる、内乱後の西の海の向こうの孤島の復興が始まることになった。

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