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成金お嬢様、激辛カレーを楽しむ

「しばらく予定は空いていない…か」


ランスロットは目に見えて落ち込んでいた。


「ルーヴルナ…会いたかったな」


そうは言いつつも、きちんと聖王としての仕事はこなすランスロット。


「…また今度、誘ってみよう」


ルーヴルナの苦労は、まだまだ続きそうだ。













「…はぁぁぁぁ〜。ようやく自由ですわぁ〜」


一方、ルーヴルナ。彼女はようやく体調が回復してベッドの上から解放されたところだった。


「お嬢様、ご回復おめでとうございます」


「お嬢様、おめでとうございます!お祝いになにかしますか?」


「そうですわね〜…」


ルーヴルナは思う。…人生何があるか分かったものではないので楽しめることは楽しんでおこうと。ということで。


「では、三人で…激辛カレーを食べるのはどうかしら!」


「げ、激辛カレー…ですか…」


「お、お嬢様…俺ちょっとお腹空いてなくて…」


「あら、逃げようとしても無駄ですわ!さあ、ご用意なさい!」


「はぁーい…」


ということで、激辛カレーを食べることになった。


「…んー!美味しい!」


「…かっら!??」


「んん…ああ、やっぱり辛いですね」


にっこにこのルーヴルナ、辛さで涙目のモーント、そして牛乳をがぶ飲みして堪えるジル。


「はぁ…幸せですわぁ…」


「そ、それは良かった…」


「お嬢様は本当に辛いものがお好きですね」


辛いものが好きなルーヴルナはそれをモーントやジルと共有出来てご満悦だ。そしてモーントとジルもそんなルーヴルナのご機嫌な様子に嬉しくなる。


「…さて、食べ終わりましたしそろそろ動きますわ」


「ん?何かするんです?」


「ええ。最近、西の海の向こうの孤島…小さな国で内乱がありましたでしょう?」


「…ええ」


「そちらの復興を、少し手伝おうかと思いますの」


ルーヴルナはベッドの上でずっと考えていた。どうしたら聖王から逃げられるか。


そこでルーヴルナは思ったのだ。どこかの国に恩を売って、そこにほとぼりが冷めるまで逃げるのもアリだなと。


ちょうど良く、最近内乱がようやく収まり復興を目指す国があったのでそこに復興支援を持ち掛けよう。そういうつもりなのである。


「…お嬢様」


「ええ」


「どうして貴女はそう…人のことばっかり考えているんですか!?」


「え?」


「お嬢様、まだ体調が回復したばかりなのです。あまりご無理はなさらないでください」


ルーヴルナは自分の保身の為にやろうとしたことなのだが…何故かモーントとジルに詰め寄られて困惑する。


一方モーントとジルは、ルーヴルナが性懲りも無くまた人のために尽くそうとしていると焦っていた。それで倒れてしまったら元も子もない。


「いいですか?お嬢様。慈善活動はもちろん良いことです。ですが、今はゆっくりと身体を休めるべきでしょう」


「ええっと…」


「お嬢様、大丈夫ですから!ね!」


「ええ…?」


ルーヴルナは、モーントとジルと微妙にすれ違っていることにも気付かずどう説得するべきか頭を悩ませていた。

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