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自称狩人の非日常  作者: しにぐりん
1 技能と異能と個性と
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1-4 モンスターハンター

 再びログインする。ログインログアウト時にはキュリィの世界を経由することも出来るが、特に用もないので今のところはスルーしている。


 ログインをしたらムールと合流する。どうやらパーティーは継続するようだ。フェリエさんは情報屋ということで冒険は後回しらしく、分かれることになった。


「それでムール。どこ行く?」

「そうだな。一旦武器買っておかないか?今のところ反撃手段が素手なんだが。」


 早速露店を巡って物色する。まだサービス初日にも関わらず、武器を作っているプレイヤーは数人いた。とりあえずその一つを覗いてみる。


「いらっしゃい!良い武器打ってるし売ってるよ。」


 …誰が上手いこと言えと?


「ショートソード」品質2

 扱いやすい鉄の片手剣。 製作者:マッシュ

「ロングソード」品質2

 取り回しの難しい鉄の両手剣。 製作者:マッシュ

「ダガー」品質2

 控え目な鉄の短剣。 製作者:マッシュ


 彼女はマッシュと言うらしい。ログインしてすぐに鍛冶場のクエストをこなして剣を打てるようになったらしい。


「品質2ってどうなんだ?」

「NPCのは1だから少し良いくらいかな。でも今のところ3以上を作った人はいないから、現時点のスキルや設備だと最高品質っぽいね。」

「なるほどな。じゃあダガーを2本くれ。」

「まいど!そちらは?」

「んー、俺は良いかな。」

「OK!じゃあ6000Gね。」


 ムールはいらないらしいので俺は金を払ってダガーを受け取る。


「ムールは武器どうするんだ?」

「俺は杖がいいかな。自傷しないし。」

「なら木工の店がいいな。」

「あ、それなら知り合い紹介するよ。ちょっとまってて。」


 マッシュの知り合いに木工師がいるらしい。少し待っていると一人女性がやってきた。


「あ、桃花きたよ!」

「…木工師の桃花です。よろしくお願いします。」

「ああ。俺はシン。あんまり緊張しないでくれ。」

「俺はムールだ。よろしく。それで杖って作れるか?」

「あ、はい。作ったのありますよ。」


「杖」品質2

 一見ただの棒だが実はただの棒。 製作者:桃花


「いいね。振りやすいし、丈夫そうだ。これにするよ。」


 そういや木工ならあれが作れるのではないだろうか。聞いてみるか。


「弓って作れるか?」

「あ、え…、持ってますよ。」

「売ってくれないか?」

「あ、はい。良いですよ。」


 俺らは桃花から杖と弓をそれぞれ買った。ちなみに杖は3000G、弓は矢とセットで5000Gだ。


「二人ともありがとね。良い買い物が出来たわ。」

「はーい。また来てね~。」


 二人とはフレンドになっておいた。壊れたらまた頼もう。



 さて武器を手に入れたということでムールと二人で南の街道を歩いていた。この街道は夕方になると弱めの魔物が出るらしいので、腕試しと言うわけだ。


「お、来たな。」


 出て来たのは猪の魔物、フォレストボアだ。βテスターであるムール曰わく突進しかしてこない雑魚だそうだ。

 ここで現実でも役に立つ猪の撃退法を見せてあげよう。

 まず猪は肉が多く生半可な攻撃では倒れてくれない。無闇に攻撃しては倒せない。そこで突進を誘発する。動物は背中を見せると襲ってくる。良い子は真似しちゃダメだが、あえて後ろを向く。突進してきたらタイミングよく足を開いてジャンプだ。跳び箱のように飛び越えろ。猪突猛進という言葉もあるとおり、すぐには止まれず木に激突する。そしたら冷静に心臓をお腹からダガーでグサリだ。これで完全に息の根が止まる。

 他にムールのように頭をタイミング良く殴るのも効果的だ。脳震盪で一時的に気絶する。


 こんな感じで俺たちは街道を進んでいった。フォレストボアにしか出会わないうちに次の町に着いたようだ。なお、フォレストボアは牙と毛皮と肉をドロップした。

 次の町はシーガイ程大きな街ではなく名前も無いらしい。無理やり呼ぶのであればシーガイ南の町だろうか。人口もそこまでいないようで次の大きな街への中継地点になるようだ。宿場町みたいなもんだな。

 まだ日は完全に暮れていない。現実では8時を過ぎているが、日中が長く夜が短いみたいで活動時間が長くなるように設定されているようだ。これは大陸によって変わるのだが、それを知るのはかなり後のことである。

 さらに町の中心部に行くとポータルを解放する事ができた。これでシーガイと自由に行き来できる。


 ムールと話した結果次の街まで目指すことになった。暗くなる前に着けば良いのだけど。


 そういえばエリアボスなどの中ボスはこのゲームにはいないのだろうか?いないのなら良いけど。

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