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自称狩人の非日常  作者: しにぐりん
2 臥した竜は天へと昇る
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2-12 運命を決める一撃

 "物理演算(プレディクション)"は物理現象ならば想定する事が出来る技能である。

 長距離の放物運動ならば風や空気抵抗も考慮することが出来る。

 俺の弓の正確さはそれに依存しているといっても良いだろう。200mくらいの距離であれば集中すれば誤差5cmで収まる。

 反射も物理現象なので得意な部類であるが、壁の素材によって左右するためステージを把握しないと難しい。


 そしてもう一つ俺は大きな武器を手に入れていた。それがスキル〈加速度〉である。物体に加速度を付与出来るスキルであるが、例えば矢の進行方向に加速度を載せると矢自体が加速していくことになる。

 経験値によって0.1Gが0.2Gに成長したのだが、200mの距離を0.2Gかけて飛ばすとおよそ7秒で到達し時速150km程度の速度が出ることになる。人に当たったとしたら余裕で穴が開く速度である。


 それらを踏まえて俺は木の上からマッシュと桃花に作って貰ったコンポジットボウを構える。矢は普通の矢だ。


〈遠視〉

〈加速度〉

〈遠距離射撃〉


 続けざまにもう一つの矢を放つ。


〈遠視〉

〈加速度〉

〈魔法矢:シャドウバレッド〉

〈遠距離射撃〉

〈致命〉


 この矢は〈錬金〉の属性付加で影属性をつけた金属矢である。影属性の影響で対光属性に加え、認識阻害の効果がついている。

 さらに魔法矢で威力を上げつつ副次効果で見えにくくなっている。

 真っ黒で認識しにくい細い矢が時速150kmで200m離れた場所から飛んでくる訳である。避けられる奴がいるなら見てみたいけどね。


「ふう。終わったことだし見に行きますか。」


 俺は矢を回収するために木から下りることにした。



  ◇


 目測でも時速100kmは下らないその矢を見つけて私は剣戟を強める。朱剣が逃げられないように。


「……手を組むのは反則だろ。」


 私の耳にはそう聞こえた気がした。突然朱剣は左手に右手に持っている剣とは別の剣を取り出す。

 そして右手で私の剣を捌きながら左手でその矢をはたき落とす。

 私は矢が飛んできた時点で勝ったと思った。飛んでいる矢に剣を合わせるなんて音ゲーの目押しの100倍は難しいからな。しかし朱剣はそれすらも片手間でやるらしい。

 シンと私の共闘でも勝てないのか。そう一瞬でも思った私が馬鹿なのだろうか?

 次の瞬間には朱剣の頭は存在していなかった。

 飛んできていることにも気付くことが出来なかった黒の矢、それが壁に刺さっていた。頭の取れ方を見ていた感じ、防具が薄い首を撃ち抜いたのだろう。


「どうやら私の信用した相手は私の物差しでは測れないみたいだ。」


 1ミリも想像していなかった出来事、いや見てからも何が起こったかあまり分かっていないものを見て私は感嘆を通り越して辟易していた。


 それを見た朱剣のチームメンバーが武器を持ち直す。

 おっと、まだ私の仕事は残っていたな。とはいっても勝率は3割もいかない戦いだがね。それほどの平均が高いチームなのである。


「助太刀しよう。」

「ああ、助かるよ。」


 ま、一人だったらの話だがね。私は紗霧さんと5人を相手にとる。この作戦はおそらくシンまたはその裏にいる早打ち辺りのものだと思われるが、どちらにしろ負け試合をするつもりは無いだろう。つまり増援は紗霧さんだけで十分ということだろう。もしくはさらに矢が飛んでくるかも知れないが。


「ナツメさん。シンは今こちらに向かって来ています。」


 矢を気にする必要はないということだろう。相手は矢を気にしなければならないけどね。注意しなければ避けられない矢で大将を討ち取ることで心理的優位を作り出した訳である。一体どこまで考えているのか。底が知れないね。


 ふふっ。私はまた新しいライバルを見つけてしまったかもしれない。


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