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自称狩人の非日常  作者: しにぐりん
1 技能と異能と個性と
3/49

1-1 始まりの街

 周りを見渡す。

 思ったよりも人が少ない?整理券型の入場が功を奏しているのかサーバー分けがされているのか分からないが、良ゲーの匂いがするのは確かだ。


 感覚を研ぎ澄ます。

 吹き抜ける風。ちょうど良い喧騒。夢よりも澄んだ色合い。それら全てがリアルを追求した世界を伝えてくる。

 最先端技術はリアルとイメージの壁をぶち破ったらしい。


 さて、初期地点に留まっていても邪魔になるだけだ。少し見て回るか。


 30分ほど歩き回った結果を発表しよう。

 まずは貨幣。単位はG(ゴールド)であり、1G=1円の相場だった。日本でのみリリースされているため利便性を考慮したのだろう。ちなみに初期アイテムとして5000Gがインベントリに入っていた。

 ここでインベントリの話をしよう。インベントリはなんと無限にアイテムを入れられるシステムだ。どれだけ入れてもかさばることがない。ただ中身の重さが反映されるようで、重くて動けなくなることがあるらしい。ちなみにキャラクター、プレイヤーやNPCのことだが、とはインベントリ間で取引ができるのでわざわざだす必要もない。

 そして20分ほど歩き回ったところでこの街の地図を手に入れた。この街はシーガイと言うらしい。一定以上見て回ると自動で手にはいるらしい。ちなみに紙ではなくデータが手にはいるので無くすこともない。


 それから一番大切なステータスだ!見てみろこの酷い初期ステータスを!


名前:シン

 種族:人類

 職業:〈無職〉

 技能:無し

 称号:無し 


 実質何も書いてないではないか。そしてよく見ると職業が無しではなく〈無職〉という職業なのだ。まるでニートではないか。学校が休みなのでニートみたいなものなんだけどね……。



 最後に傭兵所にはいると健司と出くわした。

 傭兵所は様々な依頼を誰でも出せるし受けれる場所だ。色んな規則があるがさらっとしか読んでいないので分からん。

 健司はリアルとは違い赤髪にしたようだ。それでも顔が同じなのですぐに分かる。健司はなぜかいつも赤髪でゲームをしてるけど、拘りでもあるのかね。プレイヤーネームはケンのようだ。近づくと表示された。


「ケン。ここにいたのか。」

「お、シンも来たのか。ログインしたばっかりか?」

「いや、街は一通り見てきた。」

「なるほど。とりあえずフレンド登録しようぜ。」


『プレイヤー〈ケン〉からフレンド申請がきました。 許可/拒否』


 もちろん拒否だ。


「おい!」

「すまん。手が滑った。」

「嘘付け!」


『プレイヤー〈ケン〉からフレンド申請がきました。 許可/拒否』


 許可。お約束をしたところで会話を再開する。


「今どんな感じだ?」

「そのすっと流すところは尊敬できるぜ。ひとまず傭兵所の初心者指南を受けて〈剣〉スキルを手に入れたから、一狩り行こうかなと。」

「初心者指南受けた方がいいのか?」

「あぁ。だけど受けなくてもスキルは簡単に手に入れられるっぽいぞ。何回か使えば武器の初級スキルは獲得できる。」

「じゃあいらないな。スキルなくても武器扱えるしな。」


 俺は拾った棒をブンブン振る。


「そういうことだ。俺は北の方に狩りに出る。北は敵が強めだから王道ルートっぽいしな。」

「なるほどね。じゃあまたどこかで会おう。」


 そう言って別れる。健司とはよく同じゲームで遊ぶが、プレイスタイルが違うので別行動してお互いに進捗を話し合うのが常だ。

 聞いたところによると北は平原、東が湖、南が森で、西には山があるらしい。ケンと別行動したばかりだし南に行ってみるか。



 南の街道は森の中を通っており、この静かな感じがなんともたまらない。南は人気がないのかプレイヤーも数人しか見ていない。

 せっかくだし街道を逸れて森に入ってみるか。

 そう思い森の奥に進んでいく。


 大分中に入ったのかプレイヤーの声も全く聞こえなくなった。

 と、思ったのだが何か聞こえる。どうやらこんな場所にも物好きなプレイヤーがいるらしい。耳を澄ませると何か聞こえてくる。


「…久しぶりの自然は良いですね。一生ここで寝ていたいです。」


 都会に住んでいてゲームで自然を感じるタイプの人なのだろう。変な人もいるもんだ。……もちろん良い意味だよ。


「そこでこそこそしてる人。ばれてますよ。」


 おっと。ばれちゃった。


「こんにちは。」

「俺と同じ森林浴がしたくなった人かと思ったけど、違うっぽいな。こんな所で人に会うとは。」

「たまたまぶらぶらしてたらね。俺はシンだ。」

「俺はムールだ。よろしくな。」


 どうやらムールは同学年らしい。話してて楽しい。フレンド登録までしてしまった。


「せっかくのゲームだし、こんな所でのんびりしてるわけにもいかないよな。シン、2人でどっか行くか?」

「いいねぇ。この森でも探検するか?」


 野良パーティーってやつだ。ちなみにこのゲームにパーティーというシステムはない。


 そうしてさらに森の奥へと進んでいく。

 少しすると異変に気付く。辺りが暗くなっていた。


「あれ?もう夜?」


 振り返るとムールがいない。



 影が俺を包み込んだ。

本日3話目です。


面白い。読みたい。と思ってくれましたら、是非ブックマーク、評価等お願いします。そうすると私が嬉しくなります。


しばらくは毎日投稿します。明日は夕方の投稿になります。(21/7/16)

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