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自称狩人の非日常  作者: しにぐりん
1 技能と異能と個性と
29/49

1-27 レイド討伐 後編

 幻が消えて驚いているフラガラハに魔刃を紗霧が放つ。勿論避けられるが惹きつけることには成功した。そのまま、紗霧に向かって駆けてくる。


〈集中〉

〈受け流し〉


 スキルを発動させ、刀一本で力を逸らす。〈集中〉はその名の通り集中力を高めるスキルであり、その影響でフラガラハの速さでさえ反応できる。


〈闘気〉

〈瞬身〉

〈踵落とし〉


 ヴィズがフラガラハの頭上に現れ、黄色いエフェクトを纏いながら踵落としを繰り出す。〈闘気〉は攻撃力と素速さを上げるバフであり、〈瞬身〉は短距離を一瞬で移動する忍者の職業スキルである。ピンポイントで速い敵に当てるのはかなり難しく、ヴィズと言えども、紗霧がスピードを緩めたお蔭の命中である。

 フラガラハは地面に叩きつけられ、一瞬動けなくなる。そこへ俺とムールとカズラ君で畳み掛ける。


〈魔法矢:シャドウバインド〉

〈速射〉


〈妖術:引力〉

〈妖術:拘束罠〉


〈奪力〉


 俺の矢から黒く長い影が出てフラガラハに絡みつく。麻痺薬も塗ってあるので抜け出しにくいはずだ。

 さらに、ムールの拘束系の妖術2つを重ね掛け。さっき歩き回ってたのは罠を設置してたのか。これでフラガラハは黒い丸に強く引かれ、地面から出た赤紫色の力に縛られた。

 さらにおまけでカズラ君が死霊によってデバフをかける。

 ここまですれば抜けれる奴は早々いない。


「みんな完璧よ。後は任せて。」


 フェリエを残して全員が離れる。


〈魔法陣:ウォーターボール〉

〈魔法陣:強化〉

〈魔法陣:収束〉

〈魔法陣:加速〉

〈魔法陣:回転〉

〈魔法陣:爆発〉

→〈改良魔法:旋水乱槍〉


 6種類の円が重なった魔法陣から水で出来た槍が飛び出す。後で聞いた話だが、フラガラハが風属性の可能性があるため風魔法は避け、森が燃えるため火魔法も避けて、地面に立っている俺たちに影響する地魔法も避けて、それ以外で一番威力の高い水魔法にしたそうです。

 その槍は回転しながら動けないフラガラハに命中する。

 その途端にとてつもない爆発が生じる。周りの地面や木を吹き飛ばし、少し離れた俺たちにも爆風が襲ってくる。


「やばっ!」


〈シャドウバインド〉

〈妖術:引力〉


 とっさに俺とムールが飛ばされないように全員を固定する。


〈ウォータープロテクト〉


 フェリエが防御魔法を発動させたお蔭で、そこまで爆風は来なかったが、台風並の強風はやってきた。

 普通に死ぬかと思った。


「威力馬鹿げてるな。」

「一面平らになってしまった…。」

「ミステリーサークルはこうやって作られるんですね。」

「やったか?」

「止めろ!そのフラグ立てるの。でも流石にやっただろ。」


 しかし、フラグというものは元来回収されると決まっていまして、爆発が収まるとフラガラハはほんの少しのHPを残して立っていた。


 フラガラハが咆哮をあげると、腕に付いた鎌から斬撃を飛ばしてくる。

 紗霧が魔刃で打ち消す。

 フラガラハは飛び回っては斬撃を放ってくる。

 紗霧とフェリエが魔法などで打ち消すが、このままでは魔力が尽きて終わる。しかも行動パターンが変わり、近接攻撃をしてこなくなった。さっきの連携は使えない。

 フラガラハは俺たちから20mは離れて攻撃してくる。


「遠距離攻撃で仕留めるしか無いみたいね。幸い一発でも当てれば死ぬHPしか残ってないわ。」

「私の〈魔刃〉は射程5mだし速度も低いから無理ね。」

「私は遠距離は持ってないわ。〈瞬身〉は2mが限界。」

「僕も遠距離攻撃は使えないよ。」

「俺は罠を設置すれば起動は可能だ。」

「私は魔法が撃てる。撃つなら一番速い風魔法だけど撃つときに無防備になるわ。」

「俺は弓があるな。距離は結構届くぞ。」

「斬撃を防げるのが紗霧と私だから、シンに当てて貰うのが手っ取り早いんだけど。」

「無理だな。あの速さで当てられるわけがない。いや、誘導すればいけるか。」

「出来そう?」

「多分な。でもみんなの力が必要だ。」

「分かった。言ってみて。」

「ムールはその辺の石に出来るだけ目立つ罠を仕掛けてくれ。で、ヴィズがそれを思いっきり投げる。後は俺がやる。」

「なるほどな。なら爆発罠を仕掛けるわ。…はいよ。爆発タイミングは?」

「ヴィズが投げて1秒後かな。ヴィズ、『鳥かご』をやるぞ。」

「そういうことね。分かったわ。」

「フェリエと紗霧は斬撃を防いでくれ。」

「了解よ。」

「僕はどうすればいいんですか?」

「カズラ君は……見ていてくれ。」

「えぇ?!酷いです。」


 すまないがカズラ君がやれることはない。


「ヴィズ。頼んだぞ。」


〈遠距離射撃〉


 俺が放った矢は囮だ。フラガラハはそれを避けるように方向転換する。

 それを見てもう一発放つ。同時にヴィズも石を投げる。

 石はフラガラハの進行方向に満遍なく散らばり、


〈妖術:爆発罠〉


 爆発する。しかしフラガラハの速度だと、その爆発すらも見てから余裕である。

 しかし、その爆発を見てしまったら終わりである。

 俺が放った矢は爆発とは反対側かつフラガラハの死角を抜けて、フラガラハの胸に刺さる。



 威力はそれほど高くない。しかし、スキル〈根性〉で耐えた1HPを削りきるには十分の威力だった。

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