表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自称狩人の非日常  作者: しにぐりん
1 技能と異能と個性と
23/49

1-21 脱初期装備

「俺はカズラ君のとこに装備取りに行くけどヴィズはどうする?」

「あ、私も頼んでるから一緒に行く。」


 ヴィズと共にパスルのポータルに飛んで、カズラ君の店に向かう。


「あ!シンさんにヴィズさん!丁度良かったです。少し相談が有りまして。」


 そう言ってカズラ君は店の中にいた一人のプレイヤーに目を向ける。

 椅子に座っていたそのプレイヤーは立ち上がる。身に纏った服は和服テイストだ。


「私は紗霧だ。よろしく頼む。」

「ああ。俺はシンだ。」

「私はヴィズよ。」

「実は紗霧さんはイベントに出たいらしいんだけど、一緒に出る人を探してるらしいんだ。それで僕たちのチームに入らないかなって相談してたんだ。」

「んー。そうだな。」


 レベルが合っていないと紗霧さんにも悪いしな。こうなったらPVPするか?


「シン。多分大丈夫よ。紗霧さんは刀を身に付けてるわ。刀を売ってるのはカンサルなのよ。つまりあの山岳を突破したってことよ。フェリエさんですら諦めてた、あの山岳をね。」


 なる程、確かにそれなら十分な強さを持っているかもしれない。


 その時、店のドアが開く。入ってきたのはフェリエさんだ。


「やっほー、シン君もヴィズちゃんも元気?」

「元気ですよ。それより何故ここに?」

「カズラ君の新作拝みにね。……ってあれ?紗霧ちゃんじゃない。」

「早打ちさん。どうも。」

「知り合いか?」

「シン君と同じく重要な情報を落としてくれるお得意さんだよ。ちなみにカンサルの最速到達者で、西の仙人とか掲示板では呼ばれてたね。」


 フェリエさんに今の流れを説明する。


「良いと思うわ。戦力も申し分ないし。」

「助かる。一人でイベントに出ることにならなくて良かった。」

「そうだ。明日、チームでボス戦やるんだが、来れるか?」

「ええ。行けますよ。」


 待ち合わせ等を確認したらお待ちかねの装備である。


「ジャジャーン!こちらが完成品です!」


「夜の狩人服」品質8

 暗闇の中で見つからない狩人の服。〈認識吸収〉〈影同化〉 製作者:カズラ


 素晴らしい出来である。色は深緑をさらに黒っぽくした色で、腰には剣を留めるベルトがあり、肩から斜めに弓を掛けるベルトも通っている。手触りが滑らかなのはケイブスパイダーの糸のお陰のようだ。

 〈認識吸収〉は触れた相手や攻撃を当てた相手を認識しやすくして、自分は認識され辛くなるスキルだ。時間制限はあるが、連戦をすると徐々に認識阻害が強まっていく。

 〈影同化〉は暗い場所で見えにくくなるスキルだ。

 融合した「バットの牙」は思ったよりも良い効果を付けてくれたらしい。


 早速着てみる。そして初期装備に合わないと着ていなかったイリュージョンリッチのドロップである「影のマント」も羽織る。「影のマント」には〈認識阻害〉がついているので、かくれんぼでは負けないくらいには見つけづらい。


「完璧ですね。」

「良いわね。似合ってるわよ。」

「シンっぽい服だね。というかシンにこの効果付けると大変なことになる気が…」

「ヴィズは貰わないのか?」

「…あ、はい!貰います!」

「ヴィズさんのも凄いですよ!はい。どうぞ。」


「戦姫の忍者服」品質7

 動くことに特化した忍者装束。〈軽量化〉〈立体行動〉 製作者:カズラ


 ヴィズの装備は赤色の忍者服だ。袖がなく、スカートも短いので動きやすそうだ。

 〈軽量化〉は装備自体の重さが減るスキルだ。武器に付けると振りやすいが威力が出なくなるとか。

 〈立体行動〉は3次元的な動きをしても服が邪魔にならないスキルだ。ヴィズにはぴったりかもしれない。


「ヴィズさんもよく似合いますね!」

「やっと忍者っぽくなったわね。」

「可愛いな。」

「…?!か、かわいい?そうかな?」

「ああ、よく似合ってる。」

「えへ、ありがとう。」


「いくらくらいになった?」

「昨日の10万Gで十分ですよ。糸もたくさんもらいましたし。素材代が無くなったので。ヴィズさんも10万Gで良いですか?」

「勿論よ。はい。」

「これで残りはムールさんで6着すべて終わりなんですけど。」

「あー、ムールは多分今日は来れないわよ。」

「フェリエさん何か知ってるんですか?」

「色々大変らしいわ。帰ってきたら聞きましょ。」

「そうですね。」


 ムールは今、手が放せない状況にあるらしい。何があったのやら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ