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自称狩人の非日常  作者: しにぐりん
1 技能と異能と個性と
22/49

1-20 海と料理

設定を修正し、シンは大学1年生に変えました。他の人たちも一緒に3年変わっています。物語に大きな変化は無いので、気にしないでください。その影響で一部変更された箇所があります。

 ランゲルはフィヨルドに作られた街のようだ。フィヨルドとは氷河によって削られた後に、氷河が溶けて無くなって出来た入江のことである。氷河期の名残であり、綺麗な曲線を見ることが出来る地形である。


 落ち着いたところでステータスを確認する。

通知が来ていたのは知っていたが、手が離せなくて見れなかったからな。ついでにノアも指輪から出してやる。


名前:シン

 種族:人類

 職業:〈狩人〉〈錬金術師〉

 技能:〈弓〉〈影魔法〉〈魔法矢〉〈短剣〉〈使役〉〈受け流し〉〈ステップ〉〈回避〉〈予見〉〈剣〉〈錬金〉

 称号:〈エルローンの好敵手〉〈迷宮の踏破者〉


 増えたのは〈魔法矢〉と〈予見〉だ。

 〈魔法矢〉は矢に魔法を纏わせて効果を付けるスキルだ。〈シャドウバレッド〉を付加した場合は単に威力上昇、〈シャドウバインド〉だと拘束効果みたいだ。詳しくは使ってみるまで分からないな。

 〈予見〉は敵の行動を予測するスキルだ。"物理演算(プレディクション)"は既に動き始めている物の軌道などを予測出来るが、〈予見〉は動き出す前から行動予測するみたいだ。見えるのは1秒先であり、魔力も使うので使いづらいスキルだがとても面白そうだ。


 確認を終えたらヴィズとランゲルに入る。

 ランゲルはそれ程大きな街ではなく、商業港として盛んなようだ。商業都市パスルや城郭都市ネルリスとは違い、中継地点としての役割が大きくプレイヤーが用があるとしたら、魚介が食べたいか海に出たいかのんびりしたいかの三択である。


「そして勿論俺たちの目的は魚介を食べることだ!」

「違うわよ。」

「ふぇ?」


 ホタテの塩焼きを頬張りながらヴィズに聞き返す。


「これから海に出るわよ。海の向こうに別の街があるって話なんだから。」

「陸から行けないのか?」

「行けるみたいだけど結構遠回りらしいから船で行くわ。」

「船なんて持ってないだろ。」

「そうね。だから買いに行くわ。」


 というわけで造船所に来ている。


「あぁ。2000万Gだな。」

「…………買えるわけないじゃない。」


 造船所のおじさんが告げた小型船の金額は、ヴィズと俺を足しあわせても足りない金額だった。まぁ元々ヴィズが買おうとした大型船は億を越えてたけどね。

 大型船はホームにもなるようで家としても使えるようだ。ヴィズは「二人の愛の巣がぁぁ。」とか言っていたが、何の話だろうか?


「で?どうするんだ?」


 俺が茶化したように言うと、


「海に出るのは今のところ止めとくわ!」


 諦める気がないようだ。


「そういえばホームはクラン共有に出来るって言ってたけど、クランはどうやって作るのかしら?」

「あー知らないな。聞いてみるか。」


 音声チャットで連絡する。分からないことがあったらこの人だ。


「フェリエさん。今良いですか?」

「良いわよ。どうしたの?…もしかして?」

「クランについての情報を知りたいんですけど。」

「あー、良かった。また貯金が消えるかと…。」

「え、どうかしました?」

「いや、何でもないわ。それよりクランね。クランを作るにはクラン申請書っていうアイテムを使えば良いわよ。」

「そのクラン申請書はどこにあるんですか?」

「…それがね。見つかってないの。」

「えっ?」

「まだ発見されてないのよ。攻略度が足らないのかそもそも解放されていないのか分からないけど、今のところ無いわ。」

「じゃあ何で知ってるんですか?」

「その場所を知っているというNPCから話が聞けたプレイヤーがいたのよ。そしたら「まだその時ではない」って言われたらしくて。」

「つまり待つ他に無いんですね…。」

「そういうことよ。情報代はサービスしとくわ。それじゃあね。」

「ええ。また。」


 今聞いたことをホタテを貪っているヴィズに話す。


「なら、そのクラン申請書ってのが見つかったら一緒に組んでくれない?」

「んー、保留かな。まだこのゲームで何やるか決めてないし。」

「あら、そう。他のクランにも入る気が無いなら良いわ。ところで醤油が欲しいわね。」

「確かに海といったら日本人は醤油が欲しくなるもんな。」


 実はシーガイからここランゲルまで醤油や味噌を見ていない。それどころか塩以外の調味料を殆ど見ていない。この辺の地域は料理が発展していないのか。それとも食べたいなら自分で作れという運営からのメッセージなのか。

 満腹度は存在するが、かなり緩い仕様になっているこのゲームでは、料理をしようとするプレイヤーは少ない。料理用のスキルは有るらしいし、店を開いたプレイヤーもいるらしいのだが、如何せん材料や調味料が少ないため思い描く料理を作れないのがネックと言えよう。しかしプレイヤーが作った料理は味が良くステータス上昇効果もあるらしいので、消費者側の人気は高いらしい。


「料理人良いな。」

「え?急にどうしたのよ。」

「世界を周りながら珍味を食べる。これよくないか?」

「シンっぽいわね。ついていくわよ。」

「少なくともイベントが終わってからだけどな。」


 おっとそろそろカズラ君との待ち合わせの時間だ。装備を取りに行かないと。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 設定変更で主人公が大学一年生になっていますが、本作品のタイトルページあらすじ部分の冒頭が「とある高校生の〜」のままになってます。
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