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自称狩人の非日常  作者: しにぐりん
1 技能と異能と個性と
19/49

1-17 再び集合

 カズラ君との商談が終わったところでフェリエさんが話し掛けて来た。


「色々聞きたい事はあるのだけど、その前に相談があるの。」


 その内容はかなり意外なものだった。


「カズラ君をうちのチームに入れない?」

「良いけど、大丈夫か?」

「思ったよりいけると思うわよ。なんたってカズラ君は、いや、見た方が早いわね。」

「何の話ですか?」

「実は私たち来週のイベントに出るのだけれど、メンバーが足らないのよ。」

「え?僕で良いなら入りたいです!」

「なら全員に聞いてみるか。ちょうど良いし。カズラ君この店借りて良い?」

「あ、良いですよ。一旦閉めときますね。」


 カズラ君は店の扉に掛かったopenと書かれた板をひっくり返し、closeにする。


 チャットでヴィズとムールを呼び出す。店の位置は知らないので、俺がポータルまで迎えにいった。これで半日ぶりに再集合である。


「というわけで、第二回作戦会議を始めたいと思います!司会は早打ちことフェリエが行います!」

「どういう訳なのよ?」

「ではその辺を纏めてシン君からどうぞ。」


 4人の視線がこちらを向く。何で俺なんだ。リーダーだからか…。


「まず、みんなで倒したいモンスターがいます。」

「お、良いね。」

「シンでも倒せないのか?」

「それなら相当強いわね。」

「倒すのはレイドボス:フラガラハだ。場所はドラゴンケイブ上層。」


 ドラゴンケイブ上層とは洞窟の森の手前にあったポータルの名だ。


「全く聞いたことのない地名が出るのは流石ね。」

「結局どこだ?」

「アントリアの研究所から渓谷を進んだ先。」

「距離は?」

「およそ半日掛かった。でも途中に竜の巣があるからもっとかかると思う。」

「ラ○ュタはあったんだな。」

「そっちじゃない。本当に竜の巣だった。」

「なら一日は欲しいな。」

「そのフラガラハって強いの?」

「一人だと不可能だな。ついでに竜も戦ってないから強さは分からん。」

「見つからずに通り抜けたってこと?」

「こいつのおかげでな。」


 ノアを撫でる。


「ずっと気になってたけど、テイムしたの?」

「エルローンのか。」

「ああ。」

「可愛いですね。」

「って、もう一つ気になってたんだけどその子誰?」

「それがもう一つの相談なのよね。カズラ君をメンバーに加えない?」

「僕はカズラです。よろしくお願いします。」

「良いんじゃないか。フェリエの推薦なら意味があるんだろ?」

「可愛いから良いわよ。でもどこかで見たことある子なのよね。」

「ヴィズの知りあいか?」

「うーん。覚えてないわ。」

「そうか。それでカズラ君を加えて、みんなでフラガラハを倒しに行きたいわけだよ。」

「分かった。明日か?」

「装備を整えたいから明明後日がいいな。」

「なら明明後日でいいか?」

「ああ。」「ええ。」「分かりました。」

「出来れば後一人集めてからの方が良いんだけどね。」

「イベントは5人でも出れるしなんとかなるけど、ボス戦は厳しい戦いになりそうだな。」


 ヴィズとムールの腕は知ってるし、早打ちは実力もあるゲーマーということは常識だ。カズラ君はフェリエさんのお墨付き。負けることは無さそうだが、厳しくなることは間違いないだろう。

 しかし、いくら求めたところでいないものはいないからな。


 その後、俺らはボス戦に向けての作戦会議を続けた。幸運にも情報のスペシャリストがいるからな。すぐに戦略が決定した。





 解散し、ログアウトした俺はゴーグルを外して起き上がる。


ピンポーン


 それを予期したように玄関のチャイムが鳴る。こんな夜に家に来る奴は3人くらいしかいないが、どれだろうか?

 扉を開けるといたのは健司だ。本命だったので驚きはしない。


「どうした?」

「UNOの進捗を聞きに来たんだ。はい、ポテチ。」


 とりあえず中に入れてポテチを開ける。ポテチが無ければ追い返してしまったかもしれない。まぁそういう俺のことを熟知している健司は必ず何かしら持ってくる。


「来週のイベント出るだろ?」

「まぁな。まだメンバー足りてないけど。」

「こっちはかなり手練れが揃ったぞ。」

「こっちもいい感じだと思うぞ。少なくとも俺と同じくらい強い奴はいる。」

「お?面白くなってるね。」

「でもスキルでプレイヤースキルはひっくり返せるからな。」

「そうだな。俺は4つ目の街まで行けたぜ。」

「流石、"朱の剣"なんて二つ名付くだけはあるな。」

「まぁな。そういや時雨の話って聞いてるか?」

「時雨か。聞いてないな。会ってくれば良いんじゃないのか?」

「バカ!女子の家においそれと行けるもんじゃないだろ!」

「そういうものか。」

「そういうとこ進悟は疎いよな。なんか話聞いたら教えてくれよ。」


 時雨は俺と健司の幼なじみが付けられた二つ名である。彼女は学年が一個下のため学校は違うが、俺と健司と離れたくないからと近くに越してきて転校までした変わり者だ。彼女の親が海外にいるため出来る芸当であるが、なかなか行動力がある、と俺は思う。

 彼女もUNOをやっているらしいが見たことも聞いたこともない。しかしイベントには出ると思われるので、見えることにはなるだろう。幼なじみ3人で最後を争うことになるかもしれないな。


 2人の雑談は夜が更けるまで続いた。

パーティーメンバーが残り1人ですね。誰になるんでしょうかね。もしかしたら既に登場済みかもしれないね。

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