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自称狩人の非日常  作者: しにぐりん
1 技能と異能と個性と
17/49

1-15 巨大洞窟

 とりあえず落ち着こう。ポータルの周囲は基本安全地帯のため、警戒する必要がない。

 ノアのステータスを確認することにした。


名前:ノア

 種族:カゲヨタカ(幼体)

 職業:〈斥候〉

 技能:〈影魔法〉〈夜行性〉〈影纏〉〈潜伏〉〈突進〉〈危機察知〉

 称号:〈天賦の才〉


 俺より強くね?そんなことはないよな。まさかね…。

 予想通り影魔法を持っていたが、影纏や潜伏も発動していたかもしれない。そしたら俺は影に隠れるの出来ないかもな。

 ノアの大体の力は分かった。これは万が一に助かる能力であるが、戦闘は苦手そうだ。幼体で突進などしたら逆に吹っ飛ばされそうだしな。


 少し休憩したら出発だ。ノアは頭の上にとまっている。


 巨大洞窟だが、徐々に下がっていく坂はなだらかで自然に出来たように見えるが、人が削ったと言われても不思議ではない。そんな坂が壁際にあり、中心部は切り立った崖になっており、最下層に行くにはバンジーか坂の二択になる。勿論後者だが。坂を下るほかにも壁際の道で奥に行くことも出来るが、折角なので下へ下ることにした。

 至る所に生えている植物は、巨大な光るスズランのような花を咲かせている。回収したらすぐに枯れてしまったので、持ち帰ることは出来なそうだ。


 洞窟内にも勿論敵は存在した。最初に遭遇したのはダンゴムシだ。しかもその辺の地面にいる小さい奴ではなく、50cmほどの大きさをしている。名前はケイブグソクムシ。どうやらダンゴムシではないらしい。何故深海生物が地上にいるんだよ、とツッコミそうになったがここは地下だった。今回はツッコミ無しで許してやろう。

 それでこのダンゴムシだが、とにかく殻が硬い。ダガーが1ミリも通らなかったぜ。しかも危険を感じると丸くなる。本来グソクムシは丸くなれないはずだが?シャドウバインドで持ち上げて腹から刺せば簡単に倒すことは出来た。しかし影の消費が勿体ないのと、ドロップがグソクムシの殻という特に必要としてないアイテムだったので今後は無視することにした。ムシだけにね。


 次に出てきたのはバットとかいう安直この上ない名前の蝙蝠だ。

 バットは小さく素速いため攻撃を当てずらそうだった。俺はゲーム人生で鍛えた反射神経で当てられるが。

 ドロップは羽。ダンゴムシと同じくレアドロップがあるかもしれないがいらないものだった。しかしダンゴムシと違い、襲ってくるので処理しながら進んでいった。ノアもバットは狩っていたぞ。捕まえられなくて追いかけっこで遊んでるみたいになってとても微笑ましかったが。


 下に降りるにつれ、モンスターの種類は増えていった。

 ケイブスパイダーは大型犬くらいの大きさをした蜘蛛だ。肉弾戦に持ち込めば問題ないが、中距離から糸を放ってくるのは少し厄介。粘性の糸は捕らえられると逃げられないようだ。ダンゴムシで試したから間違いない。そのままダンゴムシは蜘蛛の餌食となっていた。ダンゴムシも捕まってしまえばただの雑魚だ。思いつきでやったが、ダンゴムシは拘束が正攻法だったようだ。

 というわけでケイブスパイダーは糸を躱しつつ近接で倒すか、糸が届かない遠距離から弓で射抜く形となった。ドロップはケイブスパイダーの糸と脚。糸は錬金で使えそうだけど脚の使い道は全く分からなかった。


 面白いモンスターもいた。それがチビロックゴーレム。岩で出来た身体を持つゴーレムだ。名前の通り50cm程のゴーレムというには迫力の無い大きさだ。

 なんとチビロックゴーレムは硬すぎてダガーも矢も通らず、シャドウバレッドも効いている様子はなかった。しかし、かなり近くまで行かないと敵対せず、スルーしていける存在だ。よって関わらないようにした。攻撃してしまった一体は谷底に落としておいた。


 洞窟のモンスターはどれも癖があり、攻略法が違うため、ソロでは厳しいエリアといって良いだろう。しかし、ソロの方が良いと思う理由もある。


ギャァア!!


 それがこの声の主、飛竜だ。この洞窟内には時々飛竜が餌を穫りに入ってくる。モンスターを一匹持って去っていくが、見つかったら一貫の終わりのため、一時的にノアに影へ隠してもらっている。

 全員が隠れる術を持っていなければ、飛竜に襲われる羽目になってしまう。ヴィズがいれば勝てそうな気もするが、このゲームではヴィズがどの位強いのか知らないので、無闇に連れてきても心中する事になるだけだろう。



 モンスターと戦い、時には逃げ、遂には底へと辿り着いた。底はかなりの幅がある平地が、洞窟の奥へと更に続かせていた。上を見上げると地上の光が微かに見えるが、もはや空の概念が無いほどに深く潜っていることを自覚する。平地とは言っても木が生えているので森といっても差し支えないだろう。

 森の入口にポータルがあったので登録する。無かったらもう一回降りてこなければいけなかった。


 そのまま森に入ったが、探索は断念せざるを得ない状況が訪れた。


 細長い身体と尻尾に、鎌のような突起が付いた腕。灰色ながらも美しい毛並み。巨大な体躯からは想像できない素速い動き。

 森の主、鎌鼬は俺を発見するやいなや襲いかかってきた。

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