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自称狩人の非日常  作者: しにぐりん
1 技能と異能と個性と
11/49

1-9 研究所攻略 後編

 時が止まったかのような静寂を破り、俺はリッチの体からダガーを抜き取る。

 リッチはそのまま消滅し、ムールも何があったか察する。


『迷宮ボス:イリュージョンリッチ を討伐しました。初回討伐報酬が贈られます。』


「まだ生きていたのか。よく気づいたな。」

「メッセージが来なかったからな。気づかない振りをして影を探していたんだ。騙しあいはこちらの勝ちのようだ。」


 目の前にあったはずの宝箱が消えている。これも幻影だったのだろう。

 ドロップは俺が「影のマント」でムールは魔石だ。

 そして初回討伐報酬は「幻人の魂」と「カードキー:緑」だ。


「影のマント」品質6

 アントリアの番人が着たマント。〈認識阻害〉

「魔石(無)」品質6

 無属性の魔石。

「幻人の魂」

 幻術使いが置いていった魂。

「カードキー:緑」

 古代の研究所で使われたカードキー。緑の扉を開くことが出来る。

*ユニークアイテムのため譲渡、破壊、放棄不可能


 陰のマントはひとまず仕舞っておこう。魂も一旦封印だな。


「なぁシン。魔石と魂で卵作ってくれないか?」

「これって融合出来るのか?」

「出来るらしいぞ。前線で話題になってた。」

「じゃあやるか。」


〈融合〉


 成功。完成したのがこちらだ。


「卵(無)」品質6

 無属性の魔石に幻人の魂がこめられ変質した卵。時間経過で孵化する。


「ほい。出来たぞ。」

「サンキュー。シンのとは違うな。魔石は汎用素材ってことか。しまっとこ。」

「それよりこれよ。」

「カードキーな。先に進めば使えるんじゃないか?」

「行ってみるか。」


 リッチの出てきた扉の奥へと進むと、予想通りだが緑色の装飾がされた扉があった。近くにポータルもある。そしてメッセージが流れる。


『迷宮:アントリアの研究所 を攻略しました。攻略報酬が贈られます。』

『全体メッセージ  迷宮:アントリアの研究所 が匿名プレイヤーによって攻略されました。 攻略済み1』

『称号〈迷宮の踏破者〉を獲得しました。』


 全体メッセージは全プレイヤーに流れるメッセージだ。プレイヤー名を表示出来るのだが、俺は匿名の設定になっている。ムールもらしい。

 攻略報酬はスキルスクロール。決められたスキルの中からランダムで獲得するアイテムだ。早速使ってみる。


『スキル〈影魔法〉を獲得しました。』


 ムールは〈幻魔法〉を手に入れたそうだ。どちらもイリュージョンリッチに関連したスキルなのだろう。

 称号は迷宮の初踏破者に贈られるもので、迷宮内での経験値が上昇するらしい。


 それらは一旦おいておいて緑の扉を開ける。中には沢山の資料が置いてあり、いかにも研究所といった雰囲気が醸しでてる。奥には青の扉があるが開けることは出来なかった。

 資料を手分けして調べると色んなことが分かった。まとめるとこんな感じだ。


・この研究所は避難先として造られた、言わばシェルターのようなものである。

・造られた時代は人類暦200年頃。(今は人類暦2021年)

・避難していたのは人類であり、自然災害から逃げるためにこもっていた。

・そしたら外への扉が埋まってしまい出れなくなった。

・他の人類と通信は出来たが、救出は不可能と言われた。

・そのまま飢え死にした人がアンデッドへと変わる。

・殺したくないので扉で隔離。

・アンデッドを研究所に入れないためにイリュージョンリッチを錬成。

・その後、全員死亡した。


 何故迷宮になったかや何を研究していたかなど疑問は残ったが、これ以上の発見は出来なかった。


「これで全部かな。」

「青の鍵がないからどうしようもないし帰るか。」

「そうだな。」


『全体メッセージ  迷宮:ライラの廃坑 が匿名プレイヤーによって攻略されました。 攻略済み2』


 おっと、俺ら以外にも迷宮を攻略したプレイヤーが出たらしい。最前線の方のだろう。


 とりあえずポータルでパスルに戻る。


「さて、どうする?」

「フェリエ呼ぶわ。売りたい情報結構出来たし。」


 フェリエさんに情報を売るらしい。それなら俺もついでに売っちゃおう。


 しばらくしてフェリエさんはポータルで飛んできた。

 そしてなんと新しい服を着ていた!俺もほしい。


「お待たせ。」

「思ったより早かったな。それより服買ったのか?」

「あーこれ良いでしょ。作って貰ったんだよね。紹介しようか?」

「頼むわ。シンも作るだろ。」

「ああ。」


 フェリエさんの服は青と白を基調としたもので初期装備と比べるとえらい違いだ。


「ムールもシン君も昨日ぶりだね。早くないかい?」

「良いのが有るんだよな。」

「結構お金増えてきたからドンとこいだよ。」


 情報屋との2回目の取引が始まった。

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