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その25 「我が領土となれーぃッ!」 「ちょいちょいちょいちょーいッ、国民を巻き込むなっ!」

 なにやら話声がする。

「――で、院長、どうするンですのかーぁ、このヒト。……えぇ~、しばらく置いておくぅ? またなのぉ? こないだ変な子供拾って来たばっかですよねぇ、どんだけお人好しなのよぉ。ったく、結局あたしの仕事が増えるだけじゃんか……、いえいえ、なんでもございませんですわ。はいはい、わかりましたよぉ、あたしゃ見習いシスターですもんねぇ、お掃除ならもうとっくに終わってますわよぉ。ん……、着替え? ここに置いておけばいいんじゃないの? ……え、着替えさせる? あたしが? って、脱がすのぉッ? ――いやイヤいやイヤ無理むり無理ムリッ! ……えぇぇ、これも修行の一環って、ウソでしょぉおッ!」

 少女の絶叫がした。

 ――またしても、お目覚めスタートですか、ったくワンパターンだな。ネタ切れか? まぁ、変な夢見なかっただけマシか。

 ベッドに寝かされたまま、ちらりとうかがう。

 ――そわそわ、うろうろ、もじもじ、きょろきょろ。

 修道着の少女が部屋中をぐるぐる回っている――、見習いシスターとか言ってたな、このコ。

 そして少女は深呼吸。さらに手の平になにか書いて飲むこと三回。続けてなぜかニ礼二拍手。

「かみさま、金貨ひゃくおくまん枚あたしにください、おねがいします。あと、あたしを、ないすばでぃにしてください、せつじつに」

 合掌。

 ――なぜ俺に?

 そして。

 ついに少女は意を決し、その手を掛け服を脱がそうと、

「――お前さん、なにしているンだい?」

「はぁぅわ――ぁぁぁッ!」



 間。



「も~~~ッ! 起きてたンなら早く言ってよね!」

 自称・シスター見習いの少女が声を荒げた。

 対して詩人は、

「お前さん、すげー顔赤いけど、だいじょぶか?」

「うっさい、寝てろ、ばかッ!」

 みならいシスターの こうげき!

 しじんは すばやく

 みをかわした!

「いや、さっき起きたばかりだし」

 詩人は少女が投げつけてきた荷物を確かめた。

 男性用の着替えが一式、入っていた。

「ありがとな。まぁ、自分で出来るからよ、なんか悪かったな」

 詩人が顔を上げると、

「もう、なんなのよぉ。どいつもコイツも、ばかにしちゃってさぁ。このあたしを、誰だと思ってるのよぉ」

 みならいシスターは たいくずわりで

 なにやらぶつぶつ いいだした!

「いや……うん。あのさ、着替えるから、出てってくんないかな?」

 詩人が声を掛けるが、少女の独り言は止まらなかった。

「だいたい、なんであたしが、こんなところで、メイドみたいな真似しなきゃなんないワケ?」

「おーい、聞こえてるかーい? お前さんよぉーい?」

 しかし!

 しじんの こえは

 とどかなかった!

「そりゃぁ、今までイイ手本が近くにいたから、だいたい何でもひとりでこなせるけどさぁ。てか、おかしいよね。どっちかっていうと、あたしが尽くしてもらう側なのにぃ、ホントは。でも随分、仕込まれたしなぁ、お姉ちゃんに。ふふっ、お姉ちゃん元気かなぁ、お城のみんなもぉ」

 なんか、独り言したのちに思い出し笑い始めちゃったよ、このコったら。脳内お花畑なんだろか? 幼女イオと言い、武器屋で会ったガキんちょと言い、最近の子は恐ぇなぁ。と詩人は嘆息し、

「ま、聞こえてないみたいだし、もう目の前で着替えるからな。知らんぞ、俺は」

 がさごそと着替えを始めた詩人さん。

「あー、もー、はやく出発したいのに~ぃ。どこまで行ったってぇのさ、アイツらはぁ! とっとと帰って来てよね。今こうしている間にだって、あの人は――、ゆうしゃさまは――ッ!」

 ふいに少女が緊迫した声を上げた。

 それには詩人もほんの少しだけ気になったようだが、

「ちょうど上着を脱ぐとこで、うん、なんつーの、こう……、頭が上着の中だったんで、よく聞こえなかったが……、なんか言ったか、お前さん?」

「へ……?」

 少女が顔を上げた。目の前には、詩人さん――成人男性(ただし住所不定無職)の、半裸体が。


 ※お察しください。


「ぎゃああああああああああああああああッ!」

「うぉぉぉいッ! あんのじょうだぜぇッ! これ、何のお約束ですかーぁッ?」

 ふたりの さけびが こだまする!

「露出狂がいるよぉッ! それはもう変態だよぉッ! 変態は、じゅうざいにんだよぉ!」

「ちょーい、なんかこの流れみたことあるぞぉ~ぃ!」

「これはもう戦争だよッ? じゅうざいにんのいる国は、侵略するしかないよぉッ!」

「規模がデカくねッ? てか、お前さんになんの権限がーッ?」

 みならいシスターは こんらんしている!

 しじんさんも こんらんしている!!


 つづく!

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