第8話 決戦開始
就職活動中で暫く触れませんでした。
一度更新しようと思って本文を入力していたのですが……
Escキーをポチってしまい入力してたモノが消失して挫折してました。
ふと感じた疑問。
それは、魔物の領域の主つまりはエリアボスの入れ替わりだ。
エリアボス討伐を行うにあたって、エリスから聞いていた話では強いゴブリンが居るという事だった。
そのゴブリンとは何度か戦ってはいるものの、雑魚に邪魔をされて毎回逃走されていたらしい。
弱い雑魚ゴブリンとは違い、死を覚悟で向かって来ること無く更にはその雑魚を囮に逃走する事から支配している者だと結論付けたそうだ。
そう考えると、そもそもゴブリンにしては強いだけで元からエリアボスでは無かった可能性がある。
取り敢えず、知識が豊富そうなキャロルさんに聞いてみる事にした。
「キャロルさん、おはようございます」
「あらリョウさん、おはよう」
「すみません、出発直前ですが少し確認しておきたい事があるんです」
そう切り出して、先程考えていた事を説明した。
「余程旨味があるエリアでも無い限りは急に他の種族に入れ替わる事は聞いたことが無いですね」
「しかし、最初からエリアボスではない可能性ですか……」
入れ替わり説は完全に否定しつつ、初期誤認説の可能性は否定しきれなかったようだ。
「恐らくとしか言えませんが、可能性は低いのではないでしょうか」
理由としては、過去の討伐に出向いた際に出会っているのが巣と呼ばれている集落のような場所であった事を述べていた。
敵のホームで戦闘してるのに、倒しきれずに逃げられるとは何処に逃げているのだろうと疑問に思った。
「集落の最奥に抜け道があり、複数に分岐している様なんですよね」
という事だった。
その分岐先を押さえる為に、最低でも10パーティー用意する必要があるらしい。
そして今回、10パーティーを超える討伐作戦の時期と伝説級の魔力を持つ俺が活動し始めたというのはエリスにとって好都合だった。
(転生によるサービス的な流れなのかな?)
そうこう話をしている内に、魔物の森の入口まで到着した。
既に、およそ50人という冒険者や傭兵団の連中が集まっていた。
「よしっ!半刻後に説明を開始するので各自装備等の最終確認をしておくように!」
聞き覚えのある声だと思ったら、アレックスさんだったようだ。
最終確認を促した後、アレックスさんはこちらに歩いて来てエリスと何か話していた。
さすがに聞き耳を立てて、聞いておこうとまでは思わなかったが表情を見る限りではエリスの事情の件だろう。
何度かやりとりし、俺に向かって「期待してるぞ」と声を掛けて戻って行った。
「さぁ時間だ、静かにしてくれ!説明を開始する!」
良く言えば余裕を持った、悪く言えば落ち着きが無い感じでわいわいがやがやしていた連中が一気に静かになった。
「今回の作戦に集まって頂き感謝する」
そうして説明が始まった。
まず今回の目的は、当然ゴブリンの王(仮)である。
過去の討伐作戦の報告によると、種族自体はゴブリンロードではないらしい。
体格の良いゴブリンというだけではあるが、何故か指揮力が高く狡賢いようだ。
抜け穴による逃走を防ぐ為に、5人程のパーティーに分かれて貰い現在判明している出口を押さえる。
新たに出口が増えていた時用に、遊撃隊として2パーティー担当して貰う。
残りは敵の本拠地、居住区らしき場所に向かう。
各パーティーのリーダーには、連絡用の魔法道具を貸し与え連絡をし合う。
「本作戦の手柄は、全員平等であり最終目標は開放にある!」
つまりは、ボスを独占し止めを刺そうと特に恩賞がある訳でも無いのできちんと連絡しろよという事である。
一通りの説明が終わり、辺りが明るくなってきた段階で作戦が開始した。
度重なる討伐作戦により、魔物の森内部の地図はほぼ正確になっている。
地図を大まかに見ると、東ルートと西ルートどちらも居住区に繋がっている。
抜け穴出口の多くは、東側にあり最近襲われていた事件も東側だったのでパーティーの多くは東ルートから向かって貰ったようだ。
俺達は、西側の遊撃隊として西ルートを進むことになった。
魔物の森の入口付近では、さすがの雑魚モンスターもこの大人数の武装集団に手を出す馬鹿は居ないらしく静かなものだった。
途中分かれて、抜け穴出口に向かったパーティーと連絡を取った際には少数のウェアウルフが出て来たと報告を受けた。
魔物の方から見ても、相手が少なくなったタイミングを狙うだけの知能はあったようだ。
知能というよりは、本能かもしれないのは否定できないが。
連絡用魔法道具の通信から、各出口は押さえる事に成功したようだった。
俺は自身の魔法によるマップで、例のゴブリンを補足していた。
森全体を検索してみるが、やはり前回の事件に出て来ていたゴブリンだった。
全て予定通りに、俺達は東西同時にゴブリンの居住区へと突入する段階になっていた。
西の遊撃隊であった俺達は、アレックスさんの「こいつ俺より強いしボス戦に連れて行く」という案により急遽交代することになった。
それはさておき、ゴブリンの平均レベルが5くらいに上がっていた。更に、この前のバースさんの事件では30体程だったのが50体を超えていそうだ。
予想よりも数が多いが、今のエリスで見ても1対1であれば問題無く倒せる強さだ。
突入の準備が完了した段階で、まずは俺の魔法で先制する事になった。
大規模な打撃を与えるなら、イメージ的にやはり風。
俺は昔テレビで見た、台風の映像をイメージし更に真空波を加えて放ってみた。
鉄筋コンクリート造の住居なら、ある程度無事だっただろうか。
木造ですらない、藁のを束ねたような住居は苦も無く消し飛びゴブリン達を蹂躙した。
「威嚇どころじゃ無かったな……」
どこか呆れたようにアレックスさんが呟いた。
しかしすぐに、突入メンバーに指示を出す。
「さぁこの機を逃すな!待機パーティーは突撃しろっ!」
東西ルートから一斉に侵攻を開始した。
ボスはまだ逃走を開始していないようだった。
余裕があるから残って居た訳ではなく、何が起こったのかわからない状態のようだ。
さすがにボスと言うべきか、すぐに我を取り戻し側近らしき者を連れて抜け穴に逃げて行った。
先程の強大な魔法を見て、戦闘態勢に入る事無く即座に逃走を選べるのは利口な考えだ。
その他大勢のゴブリンは、レベルこそ大したことは無いものの数が多くボスの逃走時間を稼がれてしまった。
出口待機パーティーからの連絡はまだ無い。
すぐに後を追って、挟撃されるという馬鹿も冒したくないので居住区のゴブリンの掃討に専念した。
残り全てのゴブリンを倒し終わり、抜け穴へと突入を開始する。
最初の分かれ道で、出口パーティーからの連絡を待つ事にした。
『ボスはこっちに来たぜ!出口Jだ!』
簡潔な通信が、出口パーティーから入り向かう方向が確定した。
出口Jだと東側の、この前のバースさんの件のあった辺りだ。
「まずは左の通路なんだが……不味いな」
何が不味いのかと思ったら、出口Jは最近見つかった出口でまだ抜け穴の繋がりがわかってないルートらしい。
次の分岐地点へと到着した。
「まずはエリス達はこちらの左ルートへ進んでくれ」
真ん中のルートが、一番可能性が高くはあったが総大将であるアレックスさん達が真ん中を行く事になった。
右ルートは、アレックスさんの直属の部下である傭兵パーティー2班だった。
「それでは、誰も欠ける事無く森を開放しまた会おう!」
各自頷き合い、歩みを進めた。
そこで突如、原因不明の頭痛に襲われる。
何とか周囲を確認すると、エリスもキャロルさんも頭を抱え蹲っていた。
意識を保つべく、目を閉じ集中して回復魔法を発動してみるが効果が無い。
何が起こったかはわからないが、徐々に頭痛は治まって来た。
目を開けた瞬間、周りの風景が変わっていた。
そこは先程の、ゴブリンの居住区だったのである。
本当に何が起こったのかわからない。
わからないが、そこに聞き覚えのある声が響いた。
「うふふ、上手く行ったわぁ」
先程見回した時には、何も居なかったはずの抜け穴の前に巨大な何かに乗った女性らしき姿があった。
何気なく自分のページを見ると、
プロットも無く適当に始めた趣味全開の小説に
少ないながらも評価ptが増えていた事に感動して
気力を振り絞り更新してみました。
今度こそ定期更新目指して頑張ってみようと思います。