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探し物
「あった!」
辺りは真っ暗になり、携帯のライトで探し続けてやっと目的のものを見つける。
やっと見つけた......中腰の姿勢で探し続けたから腰が痛い。
それを手に取ると潰れないよう優しく握り、腰を擦りながら上体を起こした。そしてすでに真っ暗になった帰路を歩き始める。
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しばらく歩き、家まであと10分ほどの住宅街まで来た。目の前に見通しの悪い十字路がある。ここまで来たらあと少しだ。
「恵、喜んでくれるかな?」
2時間も探し続けてやっと見つけたんだ。これで喜んでもらえなかったら泣けるな。そう思いながら右手の中にあるそれを見る。それは確かにそこにあって、俺は微笑んだ。
手の中にあるそれを見ながら十字路に差し掛かった、その時
パアーーーーー!!!!!!
耳をつんざくような音が響いた。俺は驚き、視線を手の中のそれから音のする方向を見ると、そこには大型トラックのライトが視界いっぱいに広がる。
避けれな......
次の瞬間、鈍い音と共に意識が途絶えた。