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真実の恋 -Myosotis scorpioides-
勿忘草の花言葉は「私を忘れないで」「誠の愛」
人と付き合っていれば、何時かは相手の欠点が見えてしまうという。
そこで目をつぶるか、つぶらないか。
それはきっとその人次第だけど。
もしかすると愛というものは、記憶という形に昇華されてからしか
存在し得ないのかもしれない。
真実の愛を持ち続けるなんて、
そんな事はできないなんて。
そんな事は分かってた。
真実の愛とは、過去にあるもの。
遠くにありて、思うもの。
真実の愛とは、永続しないもの。
思い出は美化されるという。
私の愛は勿忘草のように。
今の私は、貴方のそばには居られない。
未来の私も、貴方のそばにはいないだろう。
だけれども。
だからこそ。
過去だけがきっと永遠で。
真実の愛は過去の中。
貴方と私の古びた写真に。
勿忘草の花を捧げながら
思い出だけを胸に抱いて。
そして今日も私は生きる。