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飯屋やおい  作者: 只野至
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プロローグ 俺の昼飯Ⅳ(終)

い、一年ぶり・・・?

こっそり、こっそり……。

遊戯王?ちょっと、おま、うわぁぁぁ……。

「おい、ちょっと飯作ってみろ」

 ……俺に言ってるの?

「えっと、私がですか?」

「そうだ、なんでもいい。簡単な奴でも構わない。俺たちの昼飯作ってみろ」

 俺、なんで昼飯食いに来て、その店の料理人の昼飯を作る破目になっているんだ……?



 エプロンをつけ、手を洗ってから厨房に入る。材料はあるものを使っていいということなので冷蔵庫を確認する。肉は一応それなりに揃っている。野菜も不自由しなさそう。料理器具も一通り揃っている。問題は何を作るか、だ。簡単な奴でいいと言われはしたが、いきなり作れといわれても困るというものだ。


まあ、面倒だし本当に簡単な奴でも作るか。


「すみません、耐熱皿って置いてありますか?」


「右から2番目の奥にある茶色のやつだ」


 ……見ないで場所を的確に言うのはさすが厨房の主。まあ、耐熱皿があってよかった。なかったら料理を代えないといけないところだった。


作るのは二品、料理人と店員さんの二人分だ。用意する材料は卵、レタス、肉、チーズ、そしてご飯。レタスは食べやすい小ささに、肉はブロック状に、チーズは元々サンドイッチ用なのでそれを包丁で細長く、裂いた様に切る。卵も溶いておき、いつでも使えるようにする。


これで準備は完璧、調理を開始する。耐熱皿にご飯を敷き、それにカレーのルーをかけ、チーズと一緒に混ぜる。そのあとまたルーをかけ、そのルーが見えなくなるまでチーズを上に敷く。そしてオーブンで7分焼く。これで一品目は完了、次は二品目。フライパンに油を敷き、熱する。油が熱くなった事を確認した後に卵を入れ、ほぼ同時にご飯を入れる。そしてヘラとフライパンの返しを使って混ぜつつ肉とレタスを入れ、炒める。最後に味付けで塩を大量に入れてお終いだ。


「どうぞ、出来上がりました。熱いので気をつけてください」


そう言って先ほどとは逆に、俺がカウンター越しに料理人と店員さんに皿を2枚置く。


「炒飯だな」


「こっちは、カレードリア、ですか?」


 そう、作ったのはカレードリアと炒飯だ。もうカレーのルーはあったし、炒飯も作るのも簡単だ。料理人が早速スプーンで炒飯をすくい、食べた


「お前、これの味付けに塩しか入れてなかったな。何故だ?」


「炒飯の味付けは詳しく知らないのですが、やるとしたら醤油を少し垂らす程度でしょうか?それでも構わないとは思いますが、私はこの塩だけでつけた味と、綺麗な色が好きなんです」


 炒飯に醤油を垂らして炒めれば確かに香りが付いて香ばしくなるだろう、その代わり米に醤油の色が付く。俺はこの、醤油を入れない黄金炒飯が好きなんだ、見た目も味も。


そうこう言っていると隣にいた店員さんと酔っ払い爺さんまでもが炒飯に手を出してきた。俺の時もそうだったけど、この爺さん人の昼飯食いすぎだろ。


「あら、塩だけの味付けなのにしっかり味が付いていますね。香りはあまりしませんけど、見た目は卵の色がお米にも綺麗に付いていますし」


「なんつーか、普通の炒飯だな。良くも悪くも」


 普通の炒飯なんだから当たり前。いいんだよ、簡単なんだから。今回はレタスと肉を入れたが、個人で作る時は特になりも入れないで米と卵だけで作っている。今度はカレードリアを食べ始めた。


「……うまいな」


おお!?この怖面こわづらの料理人が美味いといったぞ!?


「表面のチーズは焦げて、パリパリしているのに中のチーズは溶けてトロリとしていますね。こんなきちんとしたカレードリアがあんなに簡単に作れるなんて」


 実は家でカレーが余った時に即興で作った時にできた作り方だったりする。なんか言えない雰囲気だから言わないけど。


「タケちゃん、これは絶対メニュー入れたほうがいいぜ。俺が注文するからよ」


 酔っ払い爺さんは相変わらずだった。さっきちょっと格好いいと思ったのは気のせいだったようだ。


「む、考えておく」


 そう答える料理人に俺は思わず頬が引きつりそうになった、こんな手抜き料理をメニューに入れていいのかよ。二人が食べ終わる頃、俺は使った器具などを洗って片付けてから厨房を出た。


「お前、名前はなんだ?」


「私は武田天衣、この人は私の夫の武田武信です」


「あ、矢追耕一といいます」


……ん?今、夫って言ったか?このラグビー選手やプロレスの選手みないな料理人と、明らかに年下だろう、準モデルレベルの美人が、夫婦ぅぅぅ!?


「あら、矢追さんというの?お店の名前と一緒ね」


「明日、履歴書もってこい。合格だ、明日からお前も厨房に入れ」


 待って!凄く待って!俺一度もここでアルバイトするなんていってないよね!?そうだ!面接してない!


「あの、特に面接もしていないのに、さすがにそれは……」


「あら、私がしたじゃないですか」


 あれか!あの料理待ってる時の会話が面接だったいうのか!?


「独学の素人にしては及第点だ、明日から修行つけてやる」


 俺、奥さんにホールや接客の仕事に憧れているって言ったのに綺麗にスルーされてるし、予想道理料理人として修行付けられる事になってるし。


 こうして俺は飯屋やおいのアルバイト料理人をする事になった。その後みっちり修行させられて腕だけだったらそこら辺のレストランにも負けないだろう自信がついた。というかつけざるを得なかったというのが正しいな。口下手なのかそういう修行を実際に受けたからなのか知らないけど修行内容が見る、やれ、不味い、殴る、やれのサイクルだったし。


何でやめなかったか、自分でもあほらしいとは思うんだがまた子供っぽい意地だった。店長|<コイツ>に納得させられるような料理を作る、ギャフンと言わせてやると考えていた俺は就職活動でなにを学んだんだろうな……。


まあ、結果だけ言えばギャフンどころか一人前に認めてもらう前に居なくなっちまったんだけどな、店長。

ふ、ふへへ。仕事忙しくて頭がおかしくなりそうだぜぇぇぇ。

ちなみにこれは書き溜めして多分だったりする。

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