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勇者が勇者パーティから追放されました ー王国の勇者から民衆の勇者として旅をしますー  作者: ぶっくん


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第12話 森の精霊

深緑の森は、かつての穏やかな面影を失っていた。


木々の間を抜ける風が、まるで嘆きのように聞こえる。


レオンは、傷だらけの鎧をまとった戦士ガレス、古びた杖を持つ老魔術師アーサー、片目の猟師キースと共に、歪んだ精霊たちのうめき声が響く森の奥へと足を踏み入れた。


監督の言葉が脳裏をよぎる。

『歪みの木の実』——聞いたことのない名前に、レオンは不吉な予感を抱いていた。1週間前から始まったという魔物の出現。時期が合いすぎる。


「ここだ」キースが突然立ち止まった。

片目の彼は、残った右目で地面を凝視している。

「足跡。人間のものだ。だが……重い。何かを運んでいた」


アーサーが杖を地面に立て、低声で詠唱を始めた。

古びた杖の先から微かな光が広がり、周囲の空間に残された魔力的な痕跡を浮かび上がらせた。


「強制召喚の残滓(ざんし)だ」

アーサーの声には怒りが込められていた。

「自然の精霊を歪め、強引に物質界に引きずり出している。この『歪みの木の実』というものは、精霊そのものを商品にしているに等しい」


ガレスが重い鎧を鳴らしながら近づいた。

「商会の連中は、森の聖域まで手を出したと言っていたな。精霊の聖域を冒涜すれば、当然の報いだ」


4人はさらに奥へ進んだ。

木々の間から見える空は、不自然な紫色に染まり始めていた。

空気が重く、呼吸するたびに胸が苦しくなる。


突然、前方の空間が歪んだ。


「来るぞ!」キースが弓を構える。


地面が割れ、黒い影が這い出てきた。

それは木の根のようにも見えるが、不自然にねじれ、先端には人間の目のようなものが無数に付いている。歪められた森の精霊——『根喰いの嘆き』と呼ばれるにふさわしい怪物だった。


「散開せよ!」

レオンの号令と同時に、4人はそれぞれの位置へと動いた。


ガレスが正面から巨斧を振るう。

傷だらけの鎧はかつての戦いの記憶を刻んでいたが、その動きに鈍さはなかった。

斧の一撃が魔物の触手を切り落とす。


キースの矢が風を切り裂く。

片目ながら、彼の狙いは正確無比だった。

矢は魔物の「目」を一つずつ貫いていく。


「レオン!左から二体目が現れる!」

アーサーの警告が飛ぶ。


アーサーの杖から放たれた光の鎖が、新たに現れようとする魔物の動きを封じる。


精霊魔法の専門家であるアーサーは、歪められた精霊たちの苦痛を最も理解していた。


レオンは剣を抜いた。


かつて『勇者パーティ』の一員として使っていた聖剣ではない。これはただの、しかし手になじんだ鋼の剣だ。


「許さない」

レオンの呟きが風に乗る。

「精霊を、森を、人々を傷つける者を」


剣閃が走った。レオンの一撃は、魔物の核心を貫く。歪められた精霊は最後のうめき声をあげて崩れ落ち、黒い煙となって消えていった。




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