表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

10月31日、玄関先にて

作者: らぷらの
掲載日:2025/10/31

初作品です。甘めに見てもらえると助かります。

「トリックオアトリート、ですよ(れい)くん」

 登校する準備も大体済ませて朝ご飯を食べようとすると、チャイムが鳴った。

 こんな早くに誰だとドアを開けると、そこには最愛の彼女がいた。

「……トリックオアトリート、だな」

 そういえば今日ってハロウィンか。今の今まで完全に忘れていた。

「ふふ、その間の空き方はやはり忘れていましたよね?」

 一瞬で見抜かれてしまった。いや流石にばれるか。なんなら顔に書いてあったかもしれない。

「ばれたか」

「まあ玲くんちょっとずぼらなところがありますからね」

「ちょっとで済むか分からないけどな」

「でも家はそんなに散らかっていないようですし、まあ大丈夫ですよ」

「ならいいか」

 リビングや廊下が綺麗なだけで自分の部屋はもう少し散らかっているのだが、それは黙っておく。

「それより」

「何でしょうか」

「お菓子をくれないといたずらしちゃいます」

「いたずら」

「いたずらです」

「いたずらというと?」

「えっと…… そうですね」

 どうやら悩んでいるご様子。

 まあいつも温厚でいたずらなんてほとんどしないし仕方ないだろう。

 しかし悩んでいる様子もかわいいのでもう少し様子を見てみる。

「えっと、玲くんが席を離れている間にシャーペンの芯をちょっと取っちゃいます」

 あまりにもかわいいいたずらを提示されて少し笑ってしまう。

「なるほど、ちょっとだけ困るな」

「ええ、ちょっとだけ困っちゃいます」

 まあ少しのシャーペンの芯で笑顔が見れるなら安いものだ。

「なのでお菓子を下さい」

「んー、ちょっと待ってて」

 お菓子とかあったかな?一応冷蔵庫の中を見てみる。

 ……ない。やはりちゃんとカレンダーを見ておくべきだった。

 仕方ないがとりあえず玄関まで戻って伝えるか。

「ごめん何もなかった」

「そうですか……」

 と言ってとても残念そうな顔をする。うっ、罪悪感が。

「放課後また買ってくるからそれで妥協してくれ」

「……なら一緒について行ってもいいですか?」

 と言って今度はとてもわくわくした笑顔を浮かべる。こんな笑顔見たら断れるわけがないだろう。いや元から断る気なんてないのだが。

「それは全然いいけど」

「やったぁ……!放課後楽しみにしておきます」

 眩しい。笑顔がとても眩しい。今お菓子があったらこの笑顔が見られなかったと考えるとお菓子がなくてよかったのかもしれない。

「じゃあまた学校で。朝ごはんも食べ終わってないようですしね」

「そういえばそうだった。じゃあまたな」

「はい、行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 気持ち長めに手を振ってからドアを閉める。

 冷めているはずの目玉焼きがちょっとだけ温かく感じられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんてことの無い、2人が今日も平和な日常ですなあ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ