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番外編1:お転婆姫と初めての見合いの宴

ジュリアはその後もすくすくと育ち、母親の美貌と父親の聡明さを受け継いだ美少女となっていた。

今年で十五歳。彼女のもとには貴族たちからの縁談の話がひっきりなしに届いている。


しかし当の本人は、そんなものにまったく興味がなかった。


毎日ドレスを着崩し、まるで男の子のような格好で王城の庭を駆け回って遊んでいる。

木に登り、池のほとりを走り回り、衛兵に見つかっては笑いながら逃げる。


父親であるグラヴィスは、そんな娘の姿を見ては目を細めていた。


「元気なのはいいことだ」


すっかり娘に甘い父親である。


だが母親であるジェニエットは違った。


このままではジュリアに伴侶が見つからないのではないか――。

そう心配していたのだ。


そこでジェニエットは、自分と同じ年頃の子息を持つ貴族の家へ次々と招待状を送り、半ば強引にお見合いの場となる宴を開くことにした。


当然ながらジュリアは不満顔である。


(まだまだ遊びたいのに……)


しかし母親の命令には逆らえない。

しぶしぶ宴に参加することになった。


その日、ジュリアは普段とはまるで別人のように磨き上げられていた。


体の隅々まで整えられ、銀色に輝く長い髪は美しく結い上げられる。

薄く化粧が施され、豪奢な青いドレスを身にまとった。


背中が大きく開いたそのドレスには、小さな宝石が散りばめられている。


完成した姿は、まるで儚い妖精のようだった。


身支度を手伝っていたメイドたちは、思わずため息を漏らす。


しかし当のジュリアは、別のことを考えていた。


(母上の顔を立てるために出席はするけど……)


(少し挨拶したら、具合が悪いって言って逃げちゃおう)


そんな計画を胸に秘めながら――


宴は静かに幕を開けた。


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