表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/14

【第10話】ジェニエットの作戦会議

今さらながら、ジェニエットは自室の机に向かい、ペンを手に取った。

不思議なことに、転生してこの世界の言葉を理解できるだけでなく、読み書きまで自然にできてしまう。


紙に今の状況を整理する。

正妃で皇后であるマデランには第一皇子カーティスがいて、このまま順当に行けばカーティスお兄様が皇帝となる。

しかし、母上アマデル皇妃はそれを許さない。皇帝の寵愛も権力も、次期皇帝の座も全て手に入れようとしているのだ。


そこで母上は、自分の子を皇帝にするため、ジェニエットと宰相であるグラヴィスを結婚させ、味方につけて揺さぶろうとしているらしい。

グラヴィスは完全に母上の味方で、最悪の場合、カーティスお兄様を亡き者にしようとするかもしれない…。


(でも、全部私を妻にするためよね?)

ジェニエットは思わずにんまり笑む。

「だったら、私からお願いしちゃえばいいんだわ。母上の味方にならなくても、貴方の妻になります。貴方が好きですって!」


名案が生まれたジェニエットは両手をパンッと合わせ、決意を固める。

そうと決まれば、さっそくお願いに行こう。口実は大義名分だけど、本当はただ会いたいだけなのだ♡


メアリーを連れ、ジェニエットはグラヴィスの執務室へ向かう。

部屋の前で取り次がれると、すぐに中に通された。


そこには両手を広げ、にこにこと待っているグラヴィスがいた。

(うぅっ!か、可愛い…私の推し♡ でも今日は大事な作戦会議だから、甘えちゃダメ…!)


グラヴィスは残念そうに「どうしたのですか?何かありましたか?」と聞く。

まるでお預けを食らったわんちゃんみたいな表情に、ジェニエットは心の中で「あとでいっぱいご褒美あげるからね♡」と思いつつ、神妙な面持ちで話を始める。


「実は…お兄様達のことでお話があります。このまま順当に行けば、次期皇帝はカーティスお兄様ですよね?」


グラヴィスは少し考え込み、やがて答える。

「はい。カーティス皇子殿下は知力も能力も優れておりますが…私の力で皇帝になるのを阻止します」

(いやん♡ 冷徹……でもカッコいい……♡)


「そのことなのですが、何もしないでほしいのです!カーティスお兄様を陥れたりしないでください」


グラヴィスは「それではアマデル妃が…」と言いかけるが、ジェニエットは遮り

「母上など関係ありません!この婚姻は父上も望んでおられますし、何より私自身が望んでいるのです。グラヴィス様がカーティスお兄様に害を及ぼす必要はありません」


グラヴィスは驚きつつも頷く。

「あんなに母上に従順だったのに…しかし、貴方様がそう望まれるのであれば、私も従います」

(……あれ、私、ちょっと上から目線っぽい?でも悪い気がしない…♡)


嬉しくなったジェニエットはグラヴィスに抱き着く。

「ありがとうございます!やっぱり大好きです♡」


グラヴィスは少し赤くなりながらも、ハハッと笑った。

「本当にお変わりになりましたね」


その微笑みに、ジェニエットは完全にノックアウトされたのだった。

(あぁ…推しが笑った……今日も世界が輝いて見える…♡)



ジェニエットの作戦、皆さんはどう思いますか♡

天才的だと思いますか、それとも恋するポンコツでしょうか✨

感想で教えていただけると嬉しいです♡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ