4.精霊との邂逅
「長い眠りから覚めさせてしまってすみませんでした」
頭を低く下げる。
「いいっていいって、暇してたし。
で、なんか僕にしてほしいことある?」
少し上から目を覗いてくる。
「魔術を教えてほしいのです。
「え?それだけでいいの?」
少し狼狽えている。
「ええ。」
そう私は答えたが、納得できないように首を傾げている。
「うーん、
まあいいよ。僕たち精霊は魔術から生まれたみたいなものだし」
こんな不思議なことが起きるのね。
「代償は何かいるのでしょう?」
「僕に名前をつけてほしいな。精霊は主から名前を貰うと本当の力を発揮できるんだ」
「へぇ〜、じゃあ私で良ければ名付けしますわ」
「あ!!名前を聞きそびれてた!!」
「ああそういえば!
ノエル=パール・リバティと申します。」
軽くカーテシーする。
「ノエル、いい名前だね」
「ありがとうございます。
そうでした、名前をつけないといけないのでしたわ。」
うーん、このような美少年に似合う名前⋯。
「ルチル、はどうでしょう。」
その瞬間ルチルの体から金色の煙が出てきた。
「ルチル…美しい名前だ」
さっきとは違い、金色とターコイズブルーのオッドアイになっていた。
私の瞳の色と髪色か。すっごく綺麗。
「君に相応しい姿になれたかな?」
妖艶な笑顔で話しかけるのは反則。
そしてルチルと私の魔術特訓が始まった。




