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9.ダフ

「おーい、ダフ爺、材料運んで来たぞ!」


 こいつは最初の7人のうちの1人。ライノス種の旦那の方だ。


「グロース!おじさんて呼べっていつも言ってんだろうが!俺はまだ40代だぞ!」


 全く最近の若い奴らと来たら、


「はいよ、材料はいつもの所に置いておくからな。それと、アル様から新しい設計図が来たぞ。」


「あぁ、材料はいつもの所でいい。試作品の個数について何か仰ってなかったか?」


「それなら、いつも通り7個ずつ作ってくれってさ」


「ほう、そういう事なら今回も自信作だな」


 最初の方は2個しか作らなかった試作品がある時から7個になったのには訳がある。アル様が考案された製品を家族の皆さんにねだられたからだ。


「しっかし、毎度毎度本当にすげーよな、アル様。作るもんが次から次に売れていきやがる」


「あぁ、メイドや執事も話しておったが売れすぎて工場の生産が追い付いてないらしい」


「そいつは大層なこって、おっちゃんは試作品担当でよかったな」


「まったくじゃ。」


 そう言うと、グロースは材料を置きに屋敷の倉庫のある方に歩いていった。


 この1年でアル様が考案されたものは5つじゃが、最初の扇風機が実は一番売れなかった。便利ではあるがな。


 因みに一番の売れ筋は魔石コンロと魔石ポットだ。


 この2つは元々あったものじゃが、アル様が新たに設計し直したアルモデルは魔力効率が劇的に改善され、従来の物と比べ魔石1つ辺りの稼働時間が段違いに良いのが特徴じゃ。


 アル様曰く『やっぱり新しい物(扇風機とか)を作る前に今あるものをより良くした方が一般大衆にうけがいい』との事じゃ。


 それは儂にも覚えがある事じゃった。以前儂はブリキ職人をしておったんじゃが、オルゴールとか懐中時計なんかを作っても一般人はほとんど買わない。


 部品1つ1つが手作りな為に高額になりやすく、懐中時計なんか金持ちか軍人しか買っていかんしの。


 一般大衆が買うのは、今も昔とそれほど変わり映えのしない置時計じゃな。


 因みに、元技能奴隷として贋作を作ったという話には少し間違いがある。契約魔術のせいで本当の事が言えんしな。


 正確には、国家機密扱いの機関車を模したレプリカを1/10スケールで作って捕まったんじゃが、、、


 だってあれすんごくカッコよかったしのう、、、


 最初は外見の再現だけで満足しておったんじゃが、気付いた時には、機関車同様に走らせたいと思ってしまったのがいかんかった。


 機関車には何度も乗ったし、機関工の奴らに高い酒まで飲ましてやって色々話を聞いたもんじゃ。


 それなのにあ奴らときたら、あっさり口を割りおってからに。まったく…


 捕まって腕を切り落とされた時は絶望して舌を噛んで死んでやろうと思ったんじゃが、運よくその1週間後にアル様に買われ1か月後には腕が戻っておった。


 儂なんてあの人間2人に比べればまだましな方じゃった。


 あの2人を最初見たときは気の毒で見ておられんかったが、日に日に回復していく姿を見たときはアル様に感謝したもんじゃ。


 何故だか、2人が回復すると儂も嬉しいと思ったのは、年のせいかの?


 そんな事をつらつら考えていると、グロースが材料の搬入から戻ってきた。


「そういえば、移転先ってもう決まったのかな?」


「あぁ、それなら、軍学校と同じぐらいの広さの空き地を買い取ったそうじゃ。確か、建設も既に始めてるって話だったと思うんじゃが」


「なぁ、それってやっぱり、あの話本当にやるつもりだってことだよなぁ?」


「ふん、何を今さら、アル様が最初にお話しされた通り進んでいるのを見れば分かっているだろうに、、、」


 このお屋敷に来てから早いもので、もう1年が経った。


 あの日アル様が話して下さった夢のようなお話を儂は今でも覚えている。


 ”全世界の奴隷の解放”


 1週間だけとはいえ、腕を切り落とされ奴隷に落ちた儂ですら希望を抱くようなお話じゃった。


 長い事奴隷をやっておる者達が抱くだろう希望の大きさなど儂には想像すらも出来んが、、、


 アル様は、覚えてくれさえすればいいと言った。


 間違いなく言えることは、忘れる奴などいないという事じゃ。


 さて、儂も仕事に取り掛かるとするか。


 次は・・・・ふむふむ、、、レコードプレイヤー


 共振石を使った録音装置とは別の仕掛けで再現するのか。


 利点は何じゃろう?


 ふむ、レコードならプレスするだけで同じものを大量に量産できるのか。


 共振石のように録音せんといかんのは同じだが、一度録音出来れば同じものが大量に作れて安価に売れるようになると。


 一枚2000ディラ、、、安いのか高いのか良く分からんな、これは利益が出るのかの??


 考えても分からん。とりあえず次じゃ。


 プレイヤーの方は、、、今ある拡声器と同じじゃな。


 再生の方法が違うから拡声器を新しく設計し直したのか。


 こっちの値段は、、、10万~100万を想定と。


 一般人でも購入できる値段から、富裕層向けの高級品まで手広く作るつもりのようじゃが。


 アル様が考える新しい魔化製品、、、本当は魔道具じゃと思うが、、、


 まぁ、アル様が考えたなら売れるんじゃろう。


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