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6.お勉強の回、世界観など

 突然だが、俺は割と忙しい。貴族家唯一の男児としてお稽古が1日のスケジュールの中に5つも入っている。


 来る日も来る日もお稽古お稽古で、普通の幼児だったら駄々の1つもあげるところだが、何一つ苦にならない!俺は自分磨きに一切の余念がない男だからな!!


 まぁ、そんな感じで、はた目にはマジで神童に見えている俺の事を両親は甘やかしまくりだ。怒られた事も魔法を知らぬ間に使えるようになっていたあの事件以外他にない。


 それについても、息子が優秀すぎるあまり起きてしまったちょっとした珍事だと両親は思っているようで、、、



 そういえば、この国について少し話をしておこうと思う。俺が住んでいるこの国の名前はエアーズ連邦だ、現代のアメリカのように各州に高度な自主権が与えられている。州の数は6つだが、領土の広さは現代のロシアと同等程もある。


 そのせいもあってか、土地は広大にあるのに人が住んでいるエリアは極端に狭い。


 なんでも200年前に統一戦争が起こって以降は近代化が押し進められ、粛清の嵐が吹き荒れ、50近くあった貴族家は解体、政党政治が台頭し現在残っている我が家のような貴族家は現代でいう所の旧財閥(華族)のような扱いらしい。


 勿論政治に口出し出来るが、それも我が州だけだ。


 我が家は政治もするが、なんといっても統一戦争を生き延びた貴族家だけの事はあり、普通に金持ちだ。


 色んな所に利権を持っているようで、羽振りがいい。


 それと、政党政治が行われている事で分かる人もいると思うが、もう貴族で税を徴収管理していない。


 国が税金を管理し、運用している。それに国営事業の道路整備などの金額が前世に比べはるかに安い。


 こちらの世界の一般人は魔法があるおかげか、前世の一般人10人分の働きが出来るみたいなので、さもありなんって感じだ。


 我が家に対する国民指示はしっかりとあるようで、先祖の働きに感謝、南無。


 奴隷達の働き口を見つけるために色々調べた所によると、やはり相当文明が発展しつつあるらしく、機関車が国内を走っている事を知って驚いた。


 他にも農耕においては魔術師が改良に改良を重ねた豊潤魔法が存在し、利権が契約魔術で固く守られてはいるものの、国内で広く使用され食料自給率は100%を超えている。


 契約魔術のせいで、未だに奴隷制度が残っていたりするのに人権を主張するような事が起こらない世界の仕組みに驚きはするが、勉強したらそれにもちゃんと理由があると分かった。


 どうやらこの世界の人々は、既に国同士で完全に思想が分かれているようで、同じ種族だとしても国が違うと言語が違い、多様な種が各国に存在する現在においては、人族至上主義を掲げるようなアホ国家がすでに滅びた後らしい。


 現代日本のように単一民族で構成された国が存在しないのだ。マジかよ!?


 現代に例えるなら、アジア人同士で戦争したくないとか、同じ黒人同士で殺し合いをしたくないと言っているようなものらしい。


 なので、相手の国に同種族がいたとしても、普通に戦争する。そのせいか前世みたいに同じ種族同士での差別がある。


 現在我が連邦の政治レベルは現代の第一次大戦頃と同等の政治力ぽいので、俺が生きている間に人権問題にもメスが入る事になりそう、今から奴隷達には人権に配慮した良い待遇を与えておこう。


 将来を見据えて俺が動いていたと周りが勝手に想像してくれるように行動しなくては。『流石です!アルフレッド様!』『さすアル!』『さすアル!』将来チヤホヤされる瞬間が見える、見えるぞ!ワハハ


 輝かしい未来を幻視してちょっと舞い上がってしまったが、俺には2つ大きな気がかりが存在する。それはこの世界でまだ、世界大戦が起きていない事とエルフの存在だ。


 世界大戦は言わずもがな、問題はエルフの方だ、問題の原因はエルフの特異性にある。この世界、他の種族との交配が基本行えないのだが、エルフだけは別だ。どんな種族とも交配ができる。


 この世界においてエルフはヒエラルキーのトップに存在する。魔力保有量はブッチギリのナンバー1なのに、何故か個体数はブッチギリのワースト1。


 100万人に1人の割合でしか存在せず、我が連邦総人口1億2千万人の中でも120人しか存在しない。


 原因も分かっている。まず、昔からエルフに交配する気があんまりないのと、エルフが交配すると、相手の種族の子が必ず生まれてしまう特性にある。無論エルフ同士ならエルフが生まれるが。


 更に、政党政治が行われている現在の連邦においてエルフの発言権は皆無な事だ。それによって何が起きるか、そう奴隷狩りだ。


 あいつら種族値ブッチギリのくせに個体数が少ないせいで政治においての発言権が無い。そのせいで、ほぼ全員の所在が国に管理され奴隷として生活している。


 因みにエルフ以外の種族は一昔前にエルフとの戦争を経験し、その圧倒的な魔力量に恐怖した過去がある為、エルフの解放なんて考えてすらいない。


 しかも扱いがほぼ性奴隷と魔術師の被検体らしい。正直こんな俺でも可哀そうに思うぐらい悲惨だ。


 ついでに、この国ではここ100年新しいエルフの子は記録上誕生していない。


 では何故、普段自分の事しか考えていない俺がそんなエルフの心配をしているのかというとだ、なんとその原因は俺の名前にある。


 俺のアルフレッドという名前なんだが、最初聞いた時はふーん悪くないじゃん。パッパいい名前ありがとう。


 くらいにしか思っていなかったのだが、最近勉強していく中でエルフの現状を知り、考えていた時にある事を思い出した。それは前世での名前の意味だ。


 この世界とは全く別の世界での意味だが、一度頭に浮かんでしまうと、どうしても拭い去る事が出来ず日々考えてしまう。


 その意味とは




『”エルフを導く者”か”エルフの助言者”』




 だったはず、、、


 これが正しい意味だったか今となっては調べる事が出来ないにも拘らず、俺は一度意識してしまうともう駄目だった。


 俺はこう見えても、おみくじとか占いとか大好きで、幽霊とか信じてるタイプの人間だ。そのおかげで輪廻転生、異世界転生も出来たと思っている。そのせいもあってか、前世にあった、名は体を表すという考えも肯定派だ。


 正直”エルフを導く者”と”エルフの助言者”のどっちだったかハッキリしないが、まぁどっちも内容は同じようなもんだろ?どうせ深く考えても答えは出ないし考えるだけ時間の無駄だ。と思って考えるのを辞めた。


 まぁ、ようはエルフの現状を何とかすればええんやろう?と思った俺は、結構適当な理由からだが、これからの人生の目標に奴隷解放を掲げた。その為にはまず人気と金が必要だが、俺は人気が特に大好きなので悪くない目標に思う。


 それによくよく考えれば、若い時から人気と金をかき集めれば将来大統領になる事も出来る気がしてきた。


 将来偉大な大統領となり、全国民から圧倒的な支持を集める俺!俺が死んだ後は、お札の顔になり、歴史学者も名君と認める偉大な人物に、、、、、、


 あれあれ、これってやはり良いことずくめなのでは?やっぱり俺の名前には意味があったんや!ワハハ!俺氏天才!


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